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徒然なるままに82『ジョロウグモが消えた日』

たびたび記事にしているが、虫は好きな方である。
一般的な虫も好きだが、特に好きなのは肉食系な虫かもしれない。
どうにも美しい(?)チョウなどを捕食する描写が多く悪役的なレッテルが貼られやすいが、害虫も捕食してくれるのだから人間の味方、益虫なのである。
チョウも元を辿れば葉っぱを食い散らかすイモムシの類で、あのアゲハチョウの幼虫すら害虫の一種でもある。
まあ、特に自分が見守りたくなる肉食系の虫はゲジとクモなのだが、「厳密には虫ではなく動物では?」というのはおいておく。

夏の終わり頃だろうか。
玄関の軒先に立派なジョロウグモの巣ができていた。
最初は通り道にも被さるくらいだったので、その部分の巣は除去させてもらったが、人間の通り道を覚えたのかそこを避けるようにして巣を作るようになっていった。

そんなジョロウグモを毎日見守るのが日課になっていた。
10月は捕獲できる虫が少なくなっているように見えたので、餌になりそうなものを巣にぶら下げたりすることも。
去年もジョロウグモが近くの軒先に巣を作っていたが、雪が吹雪いて耐えていた翌日には巣にぶら下がりながら息絶えていたことを思い出す。
今回は幸いにも手が届く範囲なので、ここまで見守ることになったのも何かの縁と思い、冬が近くなって餌がなくなったら保護しようかなとも考えていたのだが、数日前に突然ジョロウグモが消えてしまった。

何かに襲われたとしたのならば巣も破壊されていそうだが、巣は綺麗なままで中心に存在していたはずのジョロウグモだけがいなくなっていた。
他のイソウロウグモは存在しているので何が起きたのか。
どこかに隠れているという可能性も考えたのだが、数日経ってもジョロウグモが帰って来る気配はなかった。
日課になっていたジョロウグモが消えてしまうというのは少々悲しいもの、ジョロウグモのいない巣を見るたびに何とも言えない気分になる。
確かに一般的な寿命は11月くらいまでである、お腹が膨らんでいたことを思い出すと、どこかで産卵して卵を守っている可能性もなくはない。

暖房が必要なくらい寒くなってきて、もう冬も近づいている。
また来年、玄関の軒先に巣を作る子孫に会えるのかもしれない。



生まれて子孫を残すまでという一生を1年でやってのけるジョロウグモ。
そんな1年で自分は何ができただろうか。
早い早い言ってしまって、人間の寿命尺に甘えている気さえしてくる。
そんなことを消えてしまったジョロウグモから学ぶのである。
今日はこの辺で。



ギアでした。゜ω゜)ノ

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