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『武器としての組織心理学』を読んで

サブタイトルに
-人を動かすビジネスパーソン必須の心理学-とある。
産業・心理学者 山浦一保 氏 の2021年発行の著書。ダイヤモンド社

参考文献として研究雑誌が数多く挙げられており、企業や医療現場での課題解決のための実践をもとに理論化している。具体例が浮かんでくる実用書だ。

-始めに- の9ページには1ページ分を割いて、産業心理学についての説明があり、あくまでも感情、態度などの社会的、心理的要因が作業、生産に及ぼす学問であることを断っている。

まず第一章は《妬み》をどう解決しモチベーションを高めていくか。
それだけコスパの悪い感情なのだろう。
あっけらかんと今風に「それ、妬(ねた)み じゃね?」とか「人の成功を妬む人間にはなりたくないよね」とか言えればいいけれど、それは心理的安全性のある職場の場合。
殆どは、こうした組織の中での心理を研修することが解決策に繋がるのではないかと考える。この本は、リーダー的立場の人が知るだけでは十分ではない。組織を構成するみんなが人間心理や、組織の一員としての社会性や協調性を学んでいくことは、回り道のようで実は一人一人のやる気や満足感に繋がり、結果として成功につながる。その具体がこの本にある。
筋の通らない言動は、妬みのせいという文に納得する。仕事上の最適な手順としてこうすべきだのに、それが通らなかったり反対されたりする時は、背後に妬みや主導権、優位性、プライド、利害関係を考えたりもする。なかなかに難しい。心理面に集中しよう。

      《 そうじゃない相乗効果 》(筆者造語)
第1章の重要ポイントに、
・妬みを抱えやすいタイプの人は、自分の目標を高く設定し、目標に向かって突き進むことができるタイプの人でもある。とある。
夢や希望があるのに現実、それを阻むものがある。(女性目線に限らせていただくと)その中の一つが、もしも女性が置かれている無言の義務や立場であるとするならば、そのジレンマから妬みも生まれよう。
2つ目のポイント
・リーダーの立場からすると、妬みを抱えるメンバーはチームの起爆剤になり得る。とあるが、リーダー次第?リーダーの自己研鑽は多くの部下に影響するのだろう。
3つ目
・特に「妬む人」と「妬まれる人」が手を組んだときに「妬む人」のパフォーマンスが大きく向上し、よりよい関係性構築が生まれる。でもこれが一方通行ばかりだと、「妬まれる人」はつまらない。相乗効果には、ならないだろう。
第2章は《そうじゃない相乗効果》に繋がる。
・チームの温度差は必ず生じる。
・解決策として以下4つのアクションでパフォーマンスを高めることができる。
①あいさつ
②ベクトルを揃える~例えば同じ目標に向けて進む。(出来ればその目標設定に構成員も参加して)
③情報共有の見直し
~本音で会話のキャッチボールができる信頼と対話の繰り返しとか。
④人間関係の凸凹を埋める
~公平に、公正に
(公正だけれど、公平ではない世の中で
せめて公正にはしてもらいたいじゃない?)

第3章、第4章《権力と賢く付き合え》はリーダーとしての配慮、心得のよう。納得しスムーズに読んだ。

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367字
世の中の理不尽や疑問を素直に記していくと、興味が拡り意識が変化している・・・そんなプロセスを振り返ることができます。

2022.11.4を契機に5人キンプリの記録や海外進出、働く人やタレントの基本的人権、岸さんへの感謝、BS TBSからの覚え書きやGメンの…

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