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おい、お前はどうなんだよ。
私は写真集が好きだ。
ページをめくるたび、ぐわわっと作品が現れて毎回「おお!」と新鮮な驚きを味わえるし、じっくりなめるように見たり、食い入るように近寄って見たりしてもだれにも怒られない。展覧会では気が付かなかったことや見落としていたディティールも発見できたりして、楽しみが尽きない。
いつでも好きな時に写真家の目で見た世界を体感できるから、とても贅沢な鑑賞体験だと思う。印刷や装丁、構成にもこだわっ
名もなき記憶の欠片たち。そして寂しさ
「目もくれず」という言葉がある。
少しの興味・関心も示さない。 見向きもしない。 という意味だ。
とめどなく眼に飛び込んでくる世界
人間の五感から得る知覚は、その大部分が視覚による。人は、一瞬一瞬、膨大に流れてくる情報を瞳に受け止め、凄まじいスピードで処理し、知覚と選別を繰り返す。視覚のそれは他の器官を圧倒的に凌駕する媒体なのだ。
たとえば朝、眠りから覚めた時。あなたは目を瞬かせながら外の世
世界に、やわらかな線を引く。
5月の夜。荻窪にあるカフェ、arkku(アルック)にてMihoko Onodera氏の個展「Miho - Abstract」- Abstract」を鑑賞する。
みほこさんは私の古くからの友人で、久しくSNS上の繋がりに留まっていたが、最近また制作活動を再開されたと知り、かげながら応援していた。個展のお知らせを頂いたときはとても嬉しかったし、これは必ず行かねばと思った。
アートと触れ合う時間は貴
それでも、「滅び」は美しい。 第三稿
刹那を斬り、一瞬の美を永遠にする男
アート/空家 二人を訪問した後日、今度は東京工芸大学 写大ギャラリーで開催中の土門拳写真展へ向かった。
土門拳は戦後日本を代表する写真家だ。
『文楽』『ヒロシマ』『筑豊のこどもたち』など、日本の伝統文化や社会性の高いテーマを主軸とし、「リアリズム写真」を追求し続けた人である。
「写真の鬼」とも呼ばれた土門拳は、徹底したリアリズムで、対象の一瞬をファインダー
それでも、「滅び」は美しい。 第二稿
田中義樹 《ウォーホル》
これは、アート/空家 二人の企画展、「NITO10」で鑑賞した作品だ。
田中 義樹 《ウォーホル》
2022年 文庫本、模型
手前に三島由紀夫著『金閣寺』の文庫本、その奥にミニチュア模型の銀閣寺がちょこんと置かれている。先にこの作品を見ていた人が、可笑しそうにくすくす笑っている。なんだろうと私も近寄ってみるが、よくわからない。
三木さんが声を掛けてくれて「文庫本、
美術館で心をとりもどす。
−丸亀平井美術館を知っていますか?
香川県の中心部に位置する宇多津町。鎌倉〜室町時代は四国の海運の要所として栄え、神社仏閣や古街、遍路道が残る歴史ある町です。
ここに私のルーツともいえる美術館があります。
丸亀平井美術館。1993年に開館し、現代スペインを代表するアーティストによる90年代以降の作品を扱う小さな美術館です。
アイスの甘い残り香をさがして。おや、不時着した宇宙船かな?
私の最
はじめは、ビー玉だった。
【連載】あれこれと、あーと Vol.1
幼い頃、夜市に行くと真っ先にやったのが「宝石すくい」。
ビニールプールに浮かべられた、チープなおもちゃたち。煌びやかなビー玉やアクリルアイスが水の中でジャラジャラとひしめき合って、それらが夜市のギラつく光に照らされると、眩いばかりの輝きをみせる。その様は、幼い少女の心を射止めるにはじゅうぶん魅力的だ。
母にねだったのか、なけなしのお小遣いから捻出した