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王道をインストールして自身を躾ける

不変の王道を避けて進化はあり得ない。軟弱な自身の意識を矯正するためにも当たり前の言葉で定期的にガツンと頭を殴る、という話

世の中にあふれた様々な法則。歴史を紐解けばこれらの話には枚挙にいとまがない。

ビジネスにおいては孫子、ドラッカー、ランチェスターあたりが有名であるが、それらの思想をインストールすることで我流とは違った本流の経営の極意なる一本の幹を通すことができる。

そして話は変わるが、私の自室にここ数ヵ月威圧感を放ちながら鎮座している書籍がある。数ヵ月前に勢いで購入したものの、あまりの威圧感に開くのをためらい、見ないふりを決め込んでしまっていたのである。

勢いで購入したとはいえ対峙せず見過ごすわけにはいくまいと、一念発起してとうとう手を付けてしまった。

『一倉定の社長学』シリーズ全10巻

1冊¥14,300、全10冊で¥143,000である。

勢いで購入した後に、金額の桁を確認して一瞬思考が止まった。10冊で¥14,300ではない、¥143,000なのだ。

背表紙の一倉定氏の眼光に毎日さらされて「いつまで逃げているんだ」と言われているようでついに観念したのである。

過去に一倉定氏の本は何度か読んだことがあったが、このような集大成として正面からインストールを試みたのは初めてのことだ。

そしてこの本、やはり流し読みなどできる代物ではなく、じっくりと落とし込んでいかなければ血肉にならない。よって、私の日課である、早朝の第二領域に割り当てられた時間はしばらく一倉先生とのマンツーマン指導の時間となるだろう。

ここ1年あまり、会社の立て直しもひと段落ついたのもあり、少し気持ちがゆるんでいたところで襟を正して自分を躾けるにはもってこいの教材になりそうだが、どのフェーズにおいても成長を願うならば、いつ何時も学ぶ姿勢を怠らないことで慢心は回避できるのかと思う。

私自身が自分に甘く、すぐに調子に乗り怠ける性格であるからして、このように定期的に厳しい言葉や目線にさらして尻を叩いていやる行為が必要になる。

そして、どこまで成果を出そうとも、学ぶ余白があることが有難い。足りないものを補う行為が途絶えたとき、ある種の喪失感を味わうことになりそうだからだ。

このような感慨に浸るとき、自身がポンコツでよかった、と心から思うのだ。人より学ぶ必要性が多いということは成長の幅が広いということだと勝手に解釈している。

四十を過ぎて尚、正面から飛び込んでくる言葉に頬を叩かれながら自身を躾け直すことができる喜びをこの10冊の本が与えてくれるだろう。読破できた暁には付箋とメモだらけの使用感たっぷりの本になってくれていることを願い、しばし寺子屋状態となる早朝の時間を楽しむとしよう。

王道の派生から真の進化は生まれる。基本を会得し、そこから伸ばした枝葉をどこまで伸ばせるかが将来の利益になる。


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