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「日本美術史」を講義するためのごく個人的な助走

最近、「日本美術史」についてあらためて考えています。なんでかって、今度ちょっと大学で講義する機会があるので。しかしながらまぁ、恥ずかしながら、分かっているようで分かっていなかったな、と(大丈夫か、おい)。

いや、もちろん学芸員なので、この時代にはこんな作品があって、こんな様式が流行して、次の時代にこんな影響を与えて、ということは頭に入っていますよ(ただし専門外のところを深くつっこまれると、ぼろが出ます…)。
でも、大学や大学院で日本美術史を学んだのなんて、もはや遠い過去。そこからは現場に入って、曲がりなりにも学芸員としてやってきましたが、その都度企画する展覧会に関わるテーマに関しては掘り下げてある程度詳しくなるものの、通史的な視点(古代〜中世〜近世〜近代)というのはあまり磨いてこなかったな、と反省しています。

はてさて、それじゃあ「日本美術史」とは何だろう、という話から始める必要がありそうです。自分のために。


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