精神的ジレンマとヴィーガン生活の限界
多くの友達や知人は、私のことを「ヴィーガン」と認識しています。
実際、2017年から2022年の5年間はヴィーガン生活を送っており、その後2024年12月まではペスカタリアンとして生活していました。私がヴィーガンになったきっかけには、健康への強い関心がありました。Netflixで観たドキュメンタリー「What the Health」がきっかけで、卵1個がタバコ5本分の害があるといった内容に衝撃を受け、それから食生活を大きく見直す決意を固めました。
ヴィーガン生活を選んだ理由とその影響
ヴィーガンになった当初、私は肉、卵、乳製品、魚を次々に食生活から排除していきました。ヴィーガンのライフスタイルについてさらに調べていくうちに、環境への配慮や動物愛護にも意識が向き、食事だけでなく、メイク用品や服、トイレットペーパーまで環境や動物に優しい選択をするようになりました。
特にヴィーガン認証がついている製品には安心感がありましたが、次第にそれだけでは十分ではないことに気づきました。
食生活の再評価と健康への気づき
では、なぜ私がここまでヴィーガンにこだわっていたにもかかわらず、お肉や魚を再び食生活に取り入れることにしたのか。
それには二つの理由があり1つ目は、私の体の健康のためです。
ヴィーガン生活中は自炊をし、サラダばかりではなく、普通の食事をアレンジして食べていたので、特に食事に困ることはありませんでした。しかし、体が本来欲している栄養素を無理に制限していたことに気づきました。
フェイクミートなどの加工食品が体に悪いということは、調べれば調べるほど明らかになります。再現を目指して、さまざまな油や化学物質、植物成分が使われ、体内で分解されにくい形に変化していきます。
むしろ、ホルモン剤を注入された動物性の食品を摂取する方が、体にとってはずっとマシだと感じます。
オーツミルクもその一例です。現在、オーツミルクやアーモンドミルクが大きなブームを迎えていますが、裏のラベルをしっかり見たことがありますか？
ほとんどが油と糖分で、オーツミルクの場合、血糖値を急激に上げてしまうことがわかります。
その点、無脂肪のミルクや普通の牛乳の方が、体にとってはまだましだと思います。
2つ目は精神的な問題でした。
ヴィーガン生活を送る中で、「いくら頑張っても足りない」「動物を救えない」「地球温暖化が進んでいる」と感じるジレンマが生じ、精神的に病むこともありました。
自分が心の底から信じ、強く思い込んでいたことだからこそ、そのルールを少しでも守れないと自分をひどく責めてしまい、負のサイクルに陥ることが多かった。
それが私生活の他の部分にも影響を与えていました。人間関係や恋愛、仕事においても、自分の思い通りにいかないとすぐに「全てが終わりだ」というメンタリティに陥ってしまっていることに気づきました。もちろん、栄養不足から来る体調不良もあったと思うが、同時に、ヴィーガン生活を送っていた自分がかけていた過度な制限にも原因があったと思います。
お肉を食べる決断と月経の回復
お肉を食べ始めたのは、本当に最近のことです。
去年の10月から3ヶ月間、生理が来なかった時期がありました。月経はいつも非常に細かくトラッキングしているので、その時は環境のストレスが原因で遅れているのだろうと思いました。その間、体を温めることを心掛け、肝臓のデトックスやアーユルヴェーダ的にヴァータを増やさないように生活していました。
92日後、ようやく生理が来たのですが、92日の周期は初めてで驚きました。
もしこれがPCOS（多嚢胞性卵巣症候群）による不妊症の兆候ならどうしようかと焦り、体の声に耳を傾け、心の中で「今こそ自分の体に優しくしよう」と誓いました。
その後、月経周期が整うまで少し時間がかかることを理解していたので、体の巡りを良くすることを日々心がけました。その期間中、初めて感じたのが、6年ぶりに赤身のお肉が無性に食べたくなったという欲求でした。
これまで6年間、自分の食卓にはお肉を調理していなかったので、お肉を買うことにも抵抗がありました。しかし、体が欲しているのであれば与えてあげようと思い、成城石井で高品質なお肉を購入し、調理しました。食べてみると、その味は格別で、体が喜んでいるのを感じました。
「命をいただいている」という実感を持ちながらも、心の中ではジレンマが生じていることも否定できません。
それでも、自分の健康を最優先にしないで生活することの方が、むしろ矛盾しているのではないかと感じるようになりました。
お肉を食べただけではないと思いますが、自分の体が求めていたものを与えてあげた結果、92日だった月経周期が41日に縮まりました。
こんなにも大きな変化を感じるのは初めてで、体の声を聞いてあげると、こんなにも変わるものだと実感しました。自分でも「よくやったな」と感じました。
この期間中に他にもたくさんのことをしましたが、一番大切だと思ったのは、自分の体の声をしっかりと聞いて、それに従ってあげることです。
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