【小説】六兵衛part3 #逆噴射大賞2022
「本番始まりまーす」
「酒は世に連れ、世は酒に連れ。
日本中の酒を身銭をきって呑み歩いてきました。
お元気ですか、太田猪三です。
今日は巷で噂の人気居酒屋、六兵衛さんに来ています」
「はい、カット!先生、冒頭の挨拶はオッケーです。次はお店の中でお願いします」
猪三先生はスタッフと共に、六兵衛に入って行く。
ちなみに、この先生、本名はイノゾウだ。
「さてと」カウンターに座ると、掌を擦りながらお店が用意した一杯の酒を呑む。
「このお酒はキレがあるねえ。
まるで