【掌編】続・茶谷夫人の恋人
2年ぶりにカフェで飲んだコーヒーは味が薄くて飲めたものじゃなかった。
それでも麗は、出所後はじめてのコーヒーだからとゆっくり味わっている。
麗はつい先日まで、夫を殺した罪で刑務所に入っていた。
ところが恩赦があり、麗はわずか2年で無罪放免となったのだ。
刑務所からこんなに早く出られるとは想像もしていなかった麗は、喜ぶというより自分の悪運の強さに呆れていた。
「刑務所に入れば、欲という欲がそぎ落とされて楽になれると思ったのにね」
独りごちたとき、背後に人の気配を感じる。
「麗……さん……?」
忘れもしない声だった。
☕️ ☕️ ☕️
麗は振り返った。
「学さん?」
目の前に立っていたのは麗の学生時代の恋人、学だった。今どき珍しく銀縁メガネだ。
色白で端正な顔立ち、低音のイケボは、一度聞けば何年経っても忘れる事はない。
恋人と言ってもキスさえしたことがない、プラトニックな愛であった。
学が学業に専念し、僅か半年程度で自然消滅してしまった仲だ。
「懐かしいなあ。麗さん、こんなところで何をしているんだ」
学は麗の向かいに座る。
「学さん、お久しぶりです。
ある事情があって、今、凄く自由になったんだけど、インド映画でも観てみようかと思うくらい、とんでもなく退屈しているの」
「良かったら今から僕の家に来ないか?」
「私がお邪魔して、家の人にご迷惑をおかけしないかしら」
「何を言ってるの?僕は今でも一人だよ」
☕️ ☕️ ☕️
学に連れられた麗は、表札に「湯山」と書かれたマンションの一室に入る。
湯山学が入れたインスタントコーヒーを啜りながら麗が切り出す。
「最近、人生に疲れたみたいなの。
気づけばもう47歳。
毎日が時計の歯車のように、ただただ時を刻むだけ。
なのに何故だか最近、妙に身体が疼くの」
湯山の端正な顔を見つめていた麗の股間からは、既に愛液が溢れ出し内腿に垂れていた。
湯山もまた真っ直ぐに麗を見つめる。
艶やかな栗色の髪は後ろで束ねられ、白のブラウスからは姿勢が良いのも手伝って、ボタンがはち切れそうな豊満な胸元が見える。気品を備えた美人で、とても四十代には見えない。
ガチャン♪
湯山は突然、テーブルの上のコーヒーカップを腕で払い除けた。
「実につまらない!
全ての事象には原因がある。原因を究明しないことには、対策は打てない。
僕が調べてみよう」
そうゆうと湯山は麗を抱き上げ、テーブルの上に乗せた。
淡いピンク色のスカートを捲り上げて、麗を促がす。
「さあ、股を広げて」
麗は言われるがまま、ザクロの実が弾けるように潔く大股を開く。
白い尻に、真紅の紐パンが鮮やかだ。
湯山はその紐パンを引きちぎる。
湯山は麗の女性自身を、指で観音開きに左右に開いた。
麗は恥ずかしくなり両手で顔を塞ぐ。
「小陰唇は光沢のあるピンク色だ。
一般女性と比較すると小さい方だ。
バルトリン腺から大量の粘液が出ている。
これが原因だな。
成分を調べてみよう」
そうゆうと湯山は、バルトリン腺から吹き出す粘液に舌をつけ、陰核まで舐め上げるとチュッパチャプスのように音を出しながら陰核をしゃぶりだした。
「ふむ、この粘液には塩化ナトリウムとカリウムが含まれている」
ピンポーン♪ピンポーン♪
「だ、誰かが来たようよ?」麗が怯える。
「構わないさ。多分、郵便配達員だろう。郵便配達は二度ベルを鳴らす」
そういうと、湯山はベルに構わず、己のうまい棒をテーブルの上で仰向けになったままの、麗の花園に突き立てた。
麗が喘ぐ。
「うぅ。良いわ。凄く良い!」
湯山は腰を使って突き続ける。
「あぁ、もっと、突いて!
お願いだから、もっと奥、もっと奥を!」
そう言いながら麗は昇天した。
湯山はそれを見届けながら自身も果てた。
「君との時間は実につまらなかったが、
退屈な時はまたいつでもおいで」
この男は常に真顔だ。
「私は凄く良かったわ!
でも、出来ることなら刑務所で緩んだ今の身体では無くて、あの頃の私の身体を愛して欲しかった」
湯山の左眉が少し上がった。
まどろんでいる麗の前で、湯山が徐ろに銀のペンを取り出した。
「これは『どこでもナビ』と言ってね。時空を超えるテレポート装置だ。
今から僕の云う通り、一筆書いてくれないか?その一筆を持って、僕は当時の貴女に会いにいく」
麗には湯山の提案の意味がよく分からなかったが、満足感しかない今の麗に、断る選択肢は全く無かった。
湯山の云う通り一筆を認めた。
湯山はその手紙を持ったまま、スマホのカーナビアプリに銀のペン先を当てると、瞬時に姿を消した。
(おしまい)
BGM
もうご勘弁を。これ以上は続きません😅
また今度!
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