【短編】忘年会
今日は最初にBGMをどうぞ😅
◇◇
我を通せば角が立つ。
情を重んじれば流される。
兎角、猫の世は住みづらい。
居酒屋・六兵衛のミミが、そんなことを考えているうちに、今年ももう年末を迎える。
感染率、死亡率、後遺症の程度、ワクチンの有効性が分かった今だから、あの時の対応はどうだったかを論じる人は多いが、何も分からなかった当時を鑑みると、そこそこベストな対応であったと、キジトラ猫のミミは振り返る。
本日は恒例の六兵衛での忘年会だ。
カランカラン♪
賑やかな宴会に、また、一人お客様が来たようだ。
「人をあやめると書いてあやめ。腸之内あやめだよ」
誰も聞いていない。
あやめは無言で、カウンターにいる六助の隣に座る。
「ボージョレーはあるかしら。今夜は思いっきり酔いたい気分なの」
美月経子が女将さんに尋ねると、すっとワイングラスが差し出された。
「僕にもワインを」
経子の隣には、出禁のはずの太田猪三が陣取っていた。
「僕はバナナジュースで」
「あら?今日は肉汁屋はどうしたの?」
「今日はみんなと飲みたくて店を閉めてきた。あ、アルコールは飲めないけど」とケンちゃんが照れる。
トリスと渡、ハジメと雪見もテーブル席で楽しそうに話ている。
雨音がグラスを持った。
「皆さん揃ったので乾杯しましょう。
おかげさまで今年も一年無事に過ごせました。それでは皆様の健康を祈念して、
カンパーイ!」
「カンパーイ!」
「きゃっ」経子がハズキルーペをお尻で踏んづけたような声を出した。
どうやら隣の猪三がお尻を触ったようだ。
ミミが猪三に飛びかかった。
「ミャミャミャ、ミャーミャッ!」
「女将さん、ミミはなんて言ってるの?」
雨音が訳す。
「これからあんたが今までに見た事のない恐怖を味合わせてやんよ!」
(ぱひゅん)
〈キャラクター紹介〉
栗栖川トリス
トリスシリーズの主役。新入社員の時に不倫をしてしまい、会社を辞め、以来フリーターをしている。25才。
鼻をつまみ目からピーッと音を出すことで5分だけ過去に戻れる特殊能力を持つ。
父は源三、母の名は旧姓で天井数子だ。
有野戸渡
本通りではなく、裏筋の一本道をこよなく愛するトリスの恋人。
インドの山奥で修行した技、1/fの揺らぎを利用したボイズで、相手を意のままに操る。
姫野一
ほんわか商店街にあるラーメン屋でバイトをしている。
プッとおならをすると同時に息を吸い込む事で三分だけ未来に移動し、どんな攻撃でも生き残る特殊能力を持つ。
森永雪見
ハジメの恋人。トリスシリーズのアイドルで20才のピチピチギャル。
豊満な胸から部屋の壁をぶち破るほどの、母乳を発射する特殊能力を持つ。
青木田紀土
第一話から登場する文具店の店主。
努力の末に口から小さな炎を吐くことができるようになった。
ハーゲイのマスター
洋食屋のマスター。本名はここでは伏せておこう。
最近は何を悟ったかチャクラがどうしたとか難しい事を言う。特殊能力選手権の優勝者。
腸之内あやめ
肛門から茶色の謎の物体を放出する。
その物体に当たった者は必ず八日後に死に至る。
人前でも平気で肛門を見せるが、顔の化粧が少しでも落ちるとぽっと頬を染め恥じらう乙女。
御手洗六助
準レギュラーの六助。身体から電流を流す特殊能力を持つ。
素直な性格ゆえに使われやすいキャラクター。
美月経子
真紅の口紅と真紅のペディキュアが似合う色っぽい女性で、お酒好き。六助のお友達。
御手洗流美
六助の妹で、消防車並みの水圧でオシッコができる特殊能力を持つ。
九里雨音
居酒屋・六兵衛の女将さん。
猫と話せる特殊能力を持つ。
ショパンの調べのようなしなやかな美人だが、六助の弟との噂もある。
肉汁屋のケンちゃん
肉汁物ならなんでも扱う、うどん屋さん。
え?うどん屋さん?
でも、大好物はヤマザキのパン。
鳥野白湯
空を飛ぶことができ、口から火炎銃のような火を吹く。ケッカイというバリアも使うシリーズ最強の敵。
カリスカトロの塔に棲む魔物。
太田猪三
日本中の日本酒を身銭を切って飲み歩くエロジジイ。74才。
茶谷麗
最近身体が疼く、45才の未亡人。
まだトリスシリーズには出ていないが、今後登場予定の期待の大型新人。
湯山学
不老不死の薬や瞬間移動装置・どこでもナビを発明する学者。
今、イチオシのキャラクターで、口ぐせは「実につまらない」
◇◇
原作大賞にトリスシリーズを出そうとして書いたけど、書いた後で応募方法をよく読むと、ルールに沿っていないので、出直します😅
また今度!
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えっ!ホントに😲 ありがとうございます!🤗