見出し画像

【エッセイ】僕の旅の楽しみ方

旅の楽しみ方にも色々あると思う。
観光地を巡る、ご当地グルメに舌鼓を打つ、お土産や工芸品のショッピング、博物館で学びを得る、など。
多くの人が自分に合った楽しみ方を見つけていることだろう。

では自分はどんな楽しみ方をしているのか?
それは、散歩である。
特に目的を持つわけでも、観光名所を歩くわけでもない。
只々その地域の人が暮らしている街をノープランで歩く。これだけ。
だが自分には何にも変えられないくらい楽しいのである。

散歩のルールはとてもシンプル。
プランを決めないこと。
スマホで調べないこと。
イヤホンをしないこと。
疲れたら休憩を取ること。
頭を空っぽにすること。

日常では意外とこの全てを満たす機会は少ない。
過度な情報社会で生きる現代人である私たちは知らぬ間に情報疲れを起こしている。
結果、目の前にあるはずの情報に気づくことができなくなっている。

今日歩いた道に何があったか思い出せますか?
雲が高い位置にあるのにお気づきでしょうか?
まだそちらでは金木犀の香りはしていませんか?

また、旅先だからこそ多くの差異に気づきやすい。
建物の構造や看板の配色、道路の広さ、公園の特徴など、普段では見逃してしまうことに気づけることもある。
旅先の風景を通して日常の風景に向き合えることもある。

同じような街並みの中に潜む気づきを探してください。
その気づきがあなたの感性を豊かにしてくれることでしょう。

感性を研ぎ澄まされていくと、日常にも影響を出し始める。
毎日のように利用する最寄駅ですら気づきがある。
ほんの僅かな昨日との違い。
普通であれば必ず見逃す違いでしかない。
しかし、その違いによって時間の変化を深く感じる。
ただ歩くだけなのに日常に楽しみが生まれてくる。

感性を豊かにすると、人生も豊かになる。
旅を通して自分が学んだことである。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?