雷の恐怖を克服する ~研究⑤~ 自動思考について
自動思考とは?
自動思考とは、認知行動療法で用いられる用語です。
Wikipediaでは以下の様に記載されています。
自動思考(じどうしこう)とは、状況に対応して非常にすばやく、自分の意志とは関係なく自動的に湧き出る思考を指す。
自動思考は誰にでも生じるものであるが、通常の熟慮する思考と異なり瞬間的に湧き上がるため、自動思考そのものでなく感情や行動などの反応にしか気づけない事が多い。
例えば、雷恐怖症をモデルで表すと以下のような感じでしょうか。
雷の予報が出た(状況)
きっと雷が私に危害を加える(自動思考)
「雷怖い、逃げなければ」(感情)
明日の予定をキャンセルまたは延期する(行動)
きっと雷が私に危害を加えるという自動思考は、自分の意志とは関係なく状況に対して瞬時に発生するものですので、その時点で制御できないようです。
私も最初は「雷の予報が出た(状況)⇒「雷怖い、逃げなければ」(感情)じゃないの?」と思いました。
しかし、Wikipediaの説明にもあるように、自動思考は瞬間的に湧き上がってくるものであって、気づけない事が多いそうです。
例えば、テレビをつけっぱなして別にゲームをしていたとします。
すると、テレビから「明日は午後から雷」という音声が流れました。
今までゲームに夢中になっていて、テレビの映像や音声などまったく気にしていなかったのに、まるで「明日は午後から雷」というアナウンスだけ切り取ったようにはっきり聞こえてきます。
ハッとしてゲームそっちのけで、テレビに向きなおってしまうかもしれません。
そのような経験はありませんか?
自分にはあまり重要ではない事は気にもとめずにいられるけれども、こと自分に不都合で重要な事になると頭の中に警告が流れる、というのはよくある話です。
たぶん、そういう反応のパターンを自動思考と呼ぶのだと思います。
そして、雷恐怖症の人にとっての警告が、きっと雷が私に危害を加えるだったりするのです。
認知行動療法による対処
認知行動療法については、雷の恐怖を克服するの「3-3.認知行動療法について」にも少し書きました。
①心のつぶやきを見つめ直す
自分の感情や行動は必ずしも現実に則しているわけではありません。いつもの思考や行動パターンが事実と乖離していないか検証します。
前述しましたが、自動思考は瞬間的に湧くものなので気づけない事が多いです。よって、自動思考そのものを直接修正することは難しいと思います。
そのため、その時の感情や行動を記録してそれを振り返る事によって、事実と乖離していないかを検証する事が大事です。
そして、その検証の過程で自動思考を変化させていくのです。
以下の雷日記をつけるという記事が参考になるかも知れません。
天気予報で雷だったら日記をつけていき、本当に雷が鳴ったか、どれくらい怖かったかを記録します。
私の場合は、雷日記をつける事によって気づきを得て、たぶん以下のように変化したように考えています。
雷の予報が出た(状況)
雷は怖いが
予報が出ても鳴るとは限らない(自動思考)
「本当に鳴るのかな?」(感情)
雷が鳴り始めたら考える(行動)
自動思考は瞬間的なものなので、本当に上の通りなのかは正直わかりませんが、感情と行動から逆に推測するとたぶんそんなに外れてないと思います。
これは私の経験則になってしまいますが、認知行動療法によって雷恐怖症を寛解していくには、雷日記などで少しずつ気づきを得て、自動思考を変化させていく事が大事なのではないでしょうか。
最後まで読んでくださいましてありがとうございました。
また別のnoteでお会いしましょう。
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