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HSCと不登校。HSCはなぜ学校が苦手か
ふゆの不登校
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娘ふゆは、中2の5月に不登校になりました。
「どうして行きたくないの?」
始めは、いじめでも受けてるのかと、そう尋ねましたが
答えは
「わからない」
でした。
それに対してよくある解答の間違い例サンプルのように、
「わからないわけないでしょ?自分のことだよ?
理由隠さないでちゃんと言って?」
っていいましたね、、
理由がわからないのが不安だった。
ただ、
その不安は私の不安であって理由を聞いて安心したいという私自身の都合でしかありませんでした。
わからないことで戸惑って、不安だったのは、ふゆのほうだったのに。
ふゆの気持ちを、無視したなぁ、、と反省しています。
「わからない」
それは真実だったのだから。
本当に分からなくて困って不安でわからないと告白したのに、
信頼してる母からの
わからないわけない=わからないあなたはおかしい
隠さないで=嘘ついてるでしょ
のダブルパンチは考えても痛いです、、、
当時は社交不安障害(今その当時の様子を思えば)となり、学校に行ける状態ではありませんでしたが、
そもそも、なぜ不安障害になるまで学校でストレスを感じる状況だったのか、ほんとうに、本人もわからない状態だったのです。
ただ、
学校は小学校から苦手だった
なんか、みんなと違うなと感じることが多かったといいます。
それを別に嫌なことだと小学校では思ってなかったけど
中学生になって
みんなと同じでないと(同調圧力)何か集団に所属してないと(仲間意識)
それができないとだめだって言われてる気がして、
、、、
できない自分が
つらい
少し落ち着いて話してくれたのはそんなことでした。
そんな中で浮かんできたのは、【HSP】
診断するページを見たとき、ああ、まさに、これだなと思ったのを覚えています。
本人にとって、それは認めたくない事実でもあったようです。
学校がつらいのは、治らない気質の問題。
そう言われて、絶望したそうです。
治らない気質、、これはどうやら本当のようです。
でも、
HSCだから学校が苦手でつらくなる??
本当にそうなのか??
世の中に5人に1人もいるなら、
学校にみんなが通えていないわけではないと思う…
(強度に差があるだけ??軽度は通えるけど強度なのは無理とか?)
どちらにしろ、なぜ無理なのか
それはゆるぎないことなのか?
しっかり知りたかったので、
本当に色々本を読んで勉強して
いろんなセミナーに行ってHSPの方の話も聞いて私なりにわかったこと。
以下、記録しておきたいと思います。
誰かの生きづらさを救えるきっかけとなれば嬉しいです。
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なぜ?HSCは不登校になりやすいのか??
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HSCは不登校になりやすいと言われています。
実際、交流会で集まったHSCたちは不登校を経験していることが多かったです。
HSC気質が不登校の原因となると言う事は本当にまったく珍しい話ではないという印象です。
でもそれはなぜなのか?
HSCってどんな子?
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最初にHSCってどんな子たちなのかを見ていきましょう。
たくさんの情報がすでにネットにあふれているので、あえてここで説明する必要がないかもしれません。
この記事にたどり着いてくださった方は、すでにわが子がHSC(かも?)と判断される何かがあったからだと思うからです。
ただ、よく見る「繊細な子」「敏感な子」というのもいいのですが、私は
HSCは「刺激の受信アンテナの感度がやばい」ゆえ常に「情報過多状態」の子
だと説明することが多いです。
ネットの説明でたまに「刺激を受けやすい」繊細な人と書いてあるのを見かけます。
これでは本当の意味での【繊細】が伝わっていない印象受けます。
刺激を受けやすい、と理解されると、私がひねくれているだけかもしれませんが、
「普通だと我慢できることが我慢できない、普通なら気にならないことが気になる」
という意味に取られかねません。
そうではなく、「刺激を受ける感度がいい」「刺激を感じる力が強い」繊細な人が正しいと思います。
刺激(音・光・匂い・人の視線や感情も含む)を受診するアンテナをだれもが持っていたとして、
そのアンテナが、普通の人はまあ数メートル先の信号を受信できるだけなのに、
HSCのアンテナは隣町の刺激まで拾ってしまう!
普通のアンテナは聞こえてる声だけ拾うのに、
受信感度のいいアンテナはうっすら聞こえてる雑音まで拾ってしまう!
みたいなイメージです。
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刺激を「受けやすい」もなにも刺激が「無理から入ってきてしまう」ので避けようがなく、ちょっとの刺激で十分となり、結果「繊細な人」ができあがるというわけです。
感度のいいアンテナの持ち主なので、音ならボリュームを落として欲しいし、光はカーテンを引きたいわけです。
HSCってそんな子=HSCは生まれつき刺激に対して感度のいいアンテナを持った子です。
感度のいいアンテナをもっているなかでも、個性として、いくら大きな音が入ってきても平気な子もいるし、刺激の中には好きなものもあるでしょう。
つまり、HSC=繊細=おとなしい、というわけではない。
HSC気質(感度のいいアンテナを持っている子)でも活発で人と絡むのが大好きな子もいるわけです。
そしてアンテナの感度ももちろん個性があり、数十メートルまで感じる異様にいい感度のものもあれば、平均よりは感度良好程度なものもあるでしょう。
繊細、は神経質だの傷つきやすいだのネガティブ表現の角度を変えるいい言葉だと思っています!
繊細さんの言葉を生み出された武田友紀さんの本。本当に分かりやすくすごくすごく参考になります!
この本の中で繊細さんは「感じる力が強い人」だとおっしゃっています。
まさに、本当にそうだと思います。
もっともっと詳しくHSPのことをわかりやすく解説されてるので(あたりまえ)個人的にとてもおすすめです。
HSCにとって学校とは?
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では次にそうしたHSCにとって学校とはどんな場所なのでしょうか?
最初に結論を言ってしまうと
ストレスフルな場所であり、自己肯定感がそがれてしまう場所です。
![](https://assets.st-note.com/img/1733821830-eQGnJbUH0AMYRqIVDKgS3yN9.jpg)
なぜなのか。もちろん、HSCの感度のいいアンテナが理由です。
①ストレスフルな場所
普通に考えても学校って、エネルギーの巣窟、ではないですか?
まず
・音がしない場所がない
・狭い場所に人が溢れている
・子どもゆえコントロールできない未熟な感情(すぐ怒ったり泣いたり悪口を言ったり嫉妬したり)に触れることが日常茶飯事
・友達関係など人間関係で気を使う場面も多い
エネルギーすべてが刺激となって「高感度」でアンテナを通してHSCに流れ込んできます。
大きな音がずーっとなってたら、と考えるだけでもストレスですよね
しかも一番厄介なのは、
・子どもゆえコントロールできない未熟な感情(すぐ怒ったり泣いたり悪口を言ったり嫉妬したり)に触れることが日常茶飯事
・友達関係など人間関係で気を使う場面も多い
これです。
HSCは人の感情の波も「高感度」で受信します。
人の怒りや悲しみ、嫉妬心なんかの感情がものすごい感度で入ってくることは、何よりのストレスとなるばかりでなく、
自分の感情との境界線を壊してしまうのです・・・・
(どれが自分の感情がわからなくなる)
自分の感情との境界線を壊してしまう、どれが自分の感情がわからなくなる、、、
それはどういうことかというと・・
自分のことじゃないのに自分のことのように感じるからなんです。
え?どういうこと?となりますが・・・次のたとえを私はよく使います。
たとえば
すぐそばで横で大声で他人の悪口をいってる人、あなたのことじゃないんだからと気にしないでいられますか?
まさにHSCにとってクラスの誰かが誰かの悪口を言っている状態はそんな感じなようです。
アンテナの受信感度がよいので
すぐ横で大声
くらいの感覚で感じるわけです。
自分のことではないけれど、嫌な感じがずっしり心に響いてきます・・・。
たとえば
横で近しい誰かがイライラして不機嫌だと、ちょっとそわそわしませんか?
HSCはそれが遠い知らない誰かだとしてもその気まずいおもーい空気をアンテナが感じ取ってしまうのです。
学校では、それが毎日。
怒りや悲しみ、嫉妬がこんがらがって、至るところで感情のクライマックスです。
同じ人が同じことをいうならまだしも、日によって人も内容も変わる。
先生も生徒を怒ったりする。
ストレスマックスになるのが想像できたでしょうか?
現に、研究ですでにHSPはストレスに反応して分泌されるコルチゾールの分泌が普通の子より多いと言う事が分かっています。
普通の子には「ちょっとしたこと」でもストレスとなるのです。
それにプラスして
「扁桃体」が活発だということと言う事も分かっています。
「扁桃体」とは、簡単にいうと恐怖や不安といったマイナスの感情に深くかかわっている脳の部分です。
扁桃体が活発だと言う事は、恐怖や不安を感じていると言う事を示します。
不安・恐怖を感じるしくみとしては、
・ストレス(刺激)を感じる
・コルチゾールが分泌される
・それにより脳の前頭前野の働きが低下する
・扁桃体が制御できなくなる
・不安・恐怖を感じる
と理解しています。
つまりは刺激(ストレス)は基本恐怖や不安を感じる危険信号であるということ。
HSCのアンテナは危険信号を受ける感度がいいのだといいかえることもできることになります。
刺激の多い学校という場所。
常に危険信号が出ている場所。
想像しても疲れてしまいます。
②自己肯定感がそがれてしまう場所
アンテナの感度がいいから自己肯定感が低くなる??
私自身もそれがつながりませんでした。
実際私の育て方が影響しているのだと考えていました。
しかし、同じように思って落ち込んでるお父さん、お母さん。
どうやらそれだけではないようです。
※厳しいい方をすると、私も反省するところがあるので自戒の念も込めていうと、それだけではない、ようです。
そもそも、性格が親から受ける影響は50%ほどといわれていて、
それじゃああと半分は?というと友達や所属している社会、つまり学校などの環境によるそうです。
※家庭(母や父)も環境の一部ですね、、なので無関係ともいい切れません。今はあえて学校にスポットを当てます。
私が考えたHSCが自己肯定感が低くなってしまうからくりはこうです。
感度が良すぎていろんな情報を受け取っていると、その処理が追っつかなくなり、思考が混乱することがあります。
また、みんなが平気な音や光やにおいを不快に感じ、人の感情に振り回されパフォーマンス力が落ちてしまうことも多くなります。
しかし周りの非HSCは思考やパフォーマンスの質を落とすほどの刺激を受けてないので、自分が苦痛に思っている状況でも平気な顔して物事をクリアしてしまうわけです。
そうすると、
「なんでみんなできることができないんだろう」
あるいは「なんでみんなと違うように感じてしまうんだろう」と考えてしまい、
その結果自分はみんなとは違う・・・と感じ「自己肯定感」が低くなってしまうんです。
日本の学校がそもそもみんな一緒!が重要視されがちな場所であることが大きく影響しているでしょう。
同調行動が仲間意識を作る小さな社会ですよね。
もっと砕いて言うと、「人と違うことをして周りの人に嫌われたくない」という心理が強く働く世代が集まってる場所ですよね。
違ってもいい、と思えたらよいのですが、違うことで疎外感を感じる社会です。
自分の感度のいいアンテナが、その場所にそぐわないゆえのたくさんの違和感を感じ、人と違うことを意識せざる得ないことで、(それがよくないことと認識され)自己肯定感がそがれてしまうんです。
それともう一つ。
先にもHSCのアンテナは危険信号を受ける感度がいいのだといいかえることもできる、と言いました。
皆さんはかなり危険度の高い信号を察知したら、まずどう思いますか?
逃げなきゃ!
守らなきゃ!
じっとしてなきゃ!‥‥
状況によって何をするのかは違うと思いますが、○○しなきゃ!と思いますよね。
HSCはおそらく、危険としてあらゆる刺激(ストレス)を高感度で受け取るため、
○○ししないと!と基本考える脳の癖みたいものがあるのではないかと思っています。
この考え方の癖は、いわゆる0.100思考、完璧主義となります。
そうなると、さらに失敗したりみんなと同じようにできなかったりする自分が許せない気持ちになっていく・・・
こうして
どんどん自己肯定感は削られていったのではないかと推測しています。
HSCが不登校になりやすいといわれるわけ
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164959061/picture_pc_96c90005add314e4cd8a79373c6846ce.gif?width=1200)
上記のように、HSCにとって学校はとっても居づらい場所です。
ふゆの場合は心と体調を崩しました。
彼女に聞くと、やはり突然嫌になったわけではなく、学校はずっと過ごしにくい場所であったと言います。
嫌だけど休みたい理由ははっきり説明はできない・・・
でもものすごく居心地が悪いし、疲れる。
その居心地の悪さは本人曰く、「違和感」。
説明はできないけど「違和感」があったからと。
違和感の正体に気が付かなくてあたりまえです。
だって彼女自身が見てる世界が彼女にとっての普通なので・・・
まさか自分の刺激受信アンテナがほかの人より感度が相当いいなんて、思いもしないんだから。
目がいい状態があって初めて、あ、見えにくくなったなって気が付くわけで。
生まれつきその状態なら比較対象がないので人との違いになんて気が付くわけないんですよね・・・
おんなじ状況(のはずと信じて疑っていない)なのに、みんなができることができなかったり、みんなが何にも感じてなさそうなことが気になったり・・・
たまに同意や共感を求めたら返ってくる言葉は
「気にしすぎだよ」
(私も言っていたとおもう!・・・)
そうなると
気にし過ぎている自分が良くないのだ、
なんでみんなと同じことができないんだろうという思いが強くなる。
これが自己肯定感をさらに下げることになり・・
みんなが当たり前に毎日通っている学校がつらいなんて、私は頑張りが足りないんだ・・・と必死になった結果
ふゆの場合は最終的に原因不明の腹痛と対人恐怖症の症状(社交不安障害)が現れたのだと思います。
HSCが、不登校になるのは、
みんなと同じようにできると信じて頑張った結果、もうその刺激に耐えられない!とSOSを出し、もしくは体調の不調や心の不調をきたし、学校に行けなくなる。というパターンだと思います。
ふゆの社交不安障害や、はたまた強迫性障害などはHSCが疲れをいやせず、自分の特性を知らないままに無理に無理を重ねた結果引き起こされたものだと思っています。
なので、わが子がHSCだと気が付いて、さらになんだか居心地の悪さを感じているようなら、絶対無理をさせてはだめです!とだけ言いたい。
次回は、HSCが不安障害を発症しないために、今よりもっと楽に生きるためにした方がいいと思うことに触れていきたいと思います。
完全不登校はいわゆる大きな休息期間になるわけです。
今まで休まず我慢していた期間が長く、不登校が突然来たなという場合には、一度不安障害の可能性がないか考えてみて欲しいと思います・・
HSC気質から来るこだわりや不安と不安障害のそれとの区別は、実は難しいところがありますが、
経験上、必ずではないけれど次の質問に思い当たることがあれば、不安障害などの病気かもしれません。
ある行為や思考が原因で日常生活に支障がでているか?
これがあると、強迫性障害などの不安障害の傾向が強いと思っています。
たとえば、外を歩いていて誰かがスマホで動画を撮っているのを見かけたとき
「映ってしまったかもしれない!めちゃくちゃ気を抜いていたからもしかして恥ずかしい変な瞬間だったかもしれない!もしかしてあの人はYouTuberで配信されて大変なことになるかもしれない!」
ここまでは想像力豊かなHSCならあるあるの発想だと思います。
それが
「スマホを持っている人みんなが動画を隠れてとっても可能性だってある。じゃあもう外に出るのも怖い」と外出を避けたがるようになったり、
家の外から中が撮影されるかもしれない・・と考えてカーテンを常に閉めて真っ暗な部屋にするようになったり・・・
これはもう不安障害の入り口かもしれないので、気を付けてあげて欲しいです。
この段階で私はHSC気質のせいだと思いこみ、(明らかに普段しない行動なのになぜか)気が付かず、正しい治療知識もないままで症状を悪化させてしまったので。
その傾向がみられる!どうしたら!と思ったらメンタルクリニックのカウンセリングを受けてもいいですし、良かったらこちらの記事(※後日アップ予定)も参考にしてみて下さい