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芙蓉歌句集

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わたくしが詠みました短歌・俳句をこちらでご紹介させて頂きます。
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#芙蓉俳句

草臥れた秋の扇の音すなり

草臥れた秋の扇の音すなり

皆さまごきげんよう。今日はまことに蒸し暑い一日で、お部屋の中で机に向かっているだけですのに汗ばむほどで参ってしまいましたわ。暑くって日中に行動する気が起きませんから、どうしても夜型の生活になってしまいますわね――。

それにしても今日はなんだか湿度が高くてお肌がべたべたしますわね。先日海に参りました際も随分髪がべたつきましたけれども、一日家に居てもそうなるのは参りますわね。

さて、一週間ほど俳句

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木霊するヒグラシ鏡の国にをり

木霊するヒグラシ鏡の国にをり

皆さまごきげんよう。
七十二候「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」ということで、夏のおわりを告げる蜩の物悲しげな声が聞こえてるという季節になってまいりました。

けれども、今年、わたくしあまり蝉の声を聞かない気がするのですけれども気の所為かしら――? まだまだ蜩という感じではないですわよね。

俳句ですと蝉の句でいちばん有名なのはおそらく芭蕉さまの「閑さや岩にしみ入る蝉の声」ですけれども、この蝉が「何の蝉か

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痩せぎすの雀啄み今朝の秋

痩せぎすの雀啄み今朝の秋

ごきげんよう。
本日8月8日は立秋ということで、まだ暑さの盛りですけれども暦の上では今日から「秋」に入ってまいりましたわ。――とは申しましても、実際には辛うじて夜風に秋を感じようとするのが限度かしら。

暑中が残暑に変わったと申しましても日中の暑さはそれどこではなかったですものね――。

秋と申しますと色々な「秋」が想像されてまいりますわね。よく耳にするものですと読書の秋・藝術の秋・食欲の秋・運動

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七夕や祈りの文字流星のごと

七夕や祈りの文字流星のごと

ごきげんよう。
本日は旧暦7月7日ということで月遅れで七夕祭りが催されている地域があるそうでしてよ。元々は旧暦7月7日の夜ですから月遅れというのも変な話になるのかしら。なんだか2回出来てお得感がありますわね。

さていよいよこの夜が明けますと立秋。
暦では秋がやってまいりますわね――。

そうそう。七夕の笹飾りなのですけれども、本当は飾るのは6日の夜までで7日は海へ流す日ということを聞いたことがあ

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宝石を研ぐ水のごと瓜冷す

宝石を研ぐ水のごと瓜冷す

今日もまことにお暑い一日でしたわね。暦上はあと3日で立秋なのですけれども、信じられませんわ――。

ちなみに「西瓜」は初秋の季語でして、夏ですと「冷し瓜」という言葉がございますわ。こちらは元々は真桑瓜のことだそうですけれども――。

冷やした西瓜、美味しいですわよね。

匂ひにも喧騒ありてビヤホール

匂ひにも喧騒ありてビヤホール

ごきげんよう。8月4日は、明治32年に本邦初の「ビヤホール」という名のつくお店が出来た日だそうでしてよ。
東京の京橋に「ヱビスビヤホール」というお店で用いられたのが最初だそうで、値段は1杯10銭ほどだそうですからそんなにお高くは無いですわね。

ちなみに、わたくしはお酒飲めないのでラムネを頂きますわ――

ところで、ビヤホールはお酒飲めなくてもお食事だけで伺って大丈夫なものなのかしら。最近随分と暑

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八朔や忘れ久しき街にをり

八朔や忘れ久しき街にをり

ごきげんよう。昨日は8月1日ということで、本当でしたら旧暦の行事なのですけれども新暦の今日に「八朔」の行事を行う地域もあるそうでしてよ。
京都の舞妓さんですとこの日に挨拶回りをするのだとか。

わたくしが手にしている柑橘類のハッサクもこの時期から食べられたというのが由来だそうでしてよ。

昨今あまりお祭り以外に「八朔」という風習を聞かないのは、同じような時期に似たような風習のお中元があるからかしら

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鳥肌も火照りも詠みて文月暮る

鳥肌も火照りも詠みて文月暮る

皆さまごきげんよう。
まもなく7月も終わりということで時が過ぎるのは早いものですわね。

この一ヶ月はどんな一ヶ月だったかしら。わたくしは梅雨の寒さがもう随分遠くにあるようで、少しバテながらなんとかゴールテープを切ったような心境ですわ。明日から8月。暑さを乗り越えて参りましょうね。

旧暦ですと7月は文月と申しますわね。
わたくしにとりましても、7月はそんな「文」の一ヶ月だったように存じますわ。俳

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