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誰も俺たちを愛せない
それはジョーカーのことであり、ぼくは昨日ダークナイトの感想を書いてました。ヘッダ画像をお借りしています。
昨日は映画のその……2面性を恐ろしいまでにしつこく書いたことで、全体がものすげーどこから見ても隙がないエンタメとなったのかもみたいな感想を抱きました。
ドイル(だっけ?)のぽっと出の狂言回しぶりといいますか、狂言回しとかぽっと出の割に彼はなんだか知事だの最高検事?だの将来的に大統領府も狙う感じの奴ってこういう感じなの?みたいなかなりイケイケな設定のキャラクタでした。
一流ですよね。一流とは誰からも嫌われる。ねたまれる。
しかも本来ブルースの女であるはずのヒロインを目の前で寝取ろうとしてるんだからもう視聴者からしたら何やねんこいつはと、全部奪い取ろうとしてるだけやんけ、的なむしろ視聴者がジョーカーになっちまうんじゃないかぐらいの振る舞いを見せるわけです。いかれてる
だからぽっと出とか言ったけど、能力……能力というと少し違う気がする……立ち位置的に人間がなろうとしてなれる最強クラスの人間様なんだけど、あくまでダークナイト的にはぽっと出でしかない。だから舞台装置にされるのみなのだ。
それだけバットマンとジョーカーがそれぞれ真逆の方向に優れすぎているのだろう。ぽっと出が霞むぐらいに。
つまりここは(言ってしまえば、彼が死ぬこと自体が)人間の限界でもあると示唆されている。
人間が幻想的な映画の世界を離れて現実的に世界には本当はいくら探してもバットマンみたいな金に物を言わせたヒーローなんていないし(ダークナイトを見るまでぼくはバットマンがこんな金持ちだとは知らなかった。非常に優秀なモーガン・フリーマンやマイケル・ケインをして部下にすら従えているとは思いもよらなかったが、この2人が共演した映画が好きだったぼくにとっては嬉しい誤算だった)ジョーカーのような卑劣であり、悪業を為すことを何よりも最優先にするような、あんな特殊メイクをして親を殺した親に自分の顔を破壊されたような悪人はいなかった。
だが、視聴者がジョーカーになる前にジョーカーがこいつを壊してしまった。
このぽっと出は役割として完全に哀れな舞台装置なんだけど、ねたまれ憎まれ最後に全てを失うどころか全てに弓を向ける暴徒的になる。
ジョーカー的には、いい実験台であった。
こんな完璧な人間だって悔しさとか怒りの感情に勝てるわけがないと、いつでも簡単にジョーカー側に落としてやれるのだと証明するための実験台にされてしまった。
そしてそれはバットマンにも作用しそうになったが、ギリ踏みとどまった。それはボイル(だっけ?)が暴徒化(むしろジョーカー化と言った方が適切か)した契機である、かつてブルースの恋人であり現在ボイルに寝盗られたレイチェルまでぶっ殺されたという事実をバットマンは乗り越えたがボイルには無理だった事からも示唆されている。
もはやこの物語は人間に耐えられる奴らの戦いなのではないのだと、主役の2人はもはや人間じゃないのだと、そのレベルで正義と悪に分かれて戦っているから、今後もシリーズは続かせて興行収入を得たいからそんな気持ちで観てよね、と言ってるような気がしてきた。
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