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『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』 思い出すことは、既に好きだと言うこと【読書感想文】

タイトルが長い。
違うの。この小説のことじゃなくて、自分のつけるタイトルが長くてダラダラっとしてるなって。
反省。

尾形真理子さんの『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』

を読みました。

最近試着室に入ってないなぁ。
ましてや、ゆっくり服を見ている暇ってなかなか無い。
少し昔のことを思い出しながら、読んでいました。
もちろん、今の自分と重なる部分、重ならない部分も感じながら。

全部で5つのストーリーが入った小説。
見た目も性格も、職業も。
お気に入りの服でさえも違う恋する女性たちが、セレクトショップ『Closet』で見る過去と未来。夢と現実。
忘れていた想いに戻っていく気持ち。
見失いかけていた、『個性』を見つけてもらい、ただひとつの洋服を見に纏う。


私は、ひとりでいじけてるだけだったのかもしれない。
気持ちが通じあうことって、簡単なことでは無いけれど、そんなにむずかしく考える必要はないのかもしれない。と思った。


ちゃんと欲しがる女ほど、欲しがられる女になる。

『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』


少しドキッとした。
出逢った頃は、あんなに強く求めて、気持ちを伝えていたのに。
あれほど『欲しい』と思っていたのに。
急に恥ずかしくなる。
相手の身体が少しこちらを向くと、何故だか照れくさくて、「なんでもないの」と言ってしまう。
気持ちを伝えてくれる相手には、もっともっと歩み寄って、信じてみても良いのかもしれない。
近づいたと思ったら、壁を作って、またいつの間にか隣に行って。あまのじゃくで気まぐれで。
いつまで経っても掴めない右手は、誰の左手にも選ばれないのかもしれないなぁって思った。
今の、そのままの感情を出していけるようになりたい。
喉の奥まで来ているものを、また飲み込んで、お腹の中で温め続けているのは、もうむずかしいかもしれない。

だけどさ、『欲しがる』よりも『欲しがられる』ほうが理想だよね。
誰でも告白はするよりされたい派だよね??



好きな人は誰かほかの人が好きで…。
って言うのが良くある方だったから、
いつも最後まで
『あの子と仲良くなりたいから、わたしにも気にかけてくれてるんだよね?』
という感情で心が押しつぶされている。

「いま家の外に出てさ〜塀にのぼって電話してる。足めっちゃバタバタさせながら電話してるから。」
って、くだらないことを報告してきて、笑いながら2時間でも3時間でも電話をしてきた、あの人は、親友の彼氏だった。

『なんだよもう。』って思いながらも、いつもダラダラ電話をしている私も私で。

いつかこのくだらない関係は終わりが来るんだよね。と胸がぎゅぅってなりながらも、笑ってた。
何を話すわけでもなく、親友(彼女)の話をするわけでもなく、思い出すこともできないような、くだらない話ばかりするの。
『なんなんだよ、もう。』
好きだけど、そうじゃないんだ。
うまく言えないくらい、好きだったのかもしれない。


どうやって終わらせたのかな?
もう記憶がないんだけれど。
これも夏の風物詩みたいなものだよね。


まぁ、欲しがっても手に入れられないものもあるんだよね。世の中には。

だけど、ずっと記憶には残っていて、今でもたまに思い出して笑ったり、胸が痛んだりする。

ただの遊びのひとつなのかもしれない。
けれど、私と同じように、向こうもたまに思い出してくれていたら嬉しいな。
それは、試着室ではなくても良い。
夜寝る前に、なんとなく思い出して、夢に見てくれて。
どこかで夢のつづきがはじまるとおもしろいのかもしれない。

なんて。
たまには妄想してみるのも良いよね。
では、おやすみなさい。
良い夢を。


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