お主庭師が斬れるかな?
春。
またこの時期が来た。
草むしり。
庭が青々と茂ってる。
見渡す限り見事な雑草畑。
一面のシロツメクサ。
公園にならいいのだろうが、
庭に生えるとただの雑草…。
しかも油断してると、
茎で広がり領土拡大。
除草剤撒いても、
数年後には復活してくる難敵。
本当に手強い相手だ…。
(今年も手前から奥へやっていこう)
他の雑草と一緒に、
根こそぎ三角鎌で削り取る。
順調に作業が捗る中、
ある区域で私の手は止まった。
ここだけ何か様子が違う。
ただならぬ気配を感じる。
わずか数センチの身の丈の
シロツメクサが大きく見える。
圧倒される私は、
目を凝らし睨み返す…。
(こ、これは?!
そんな……まさか!!)
目の前に一帯に広がるシロツメクサ。
なんと!
その葉っぱ全てが四葉だった。
そしてシロツメクサはこう語りかけてくる…。
「おぬしにわしが抜けるかな?」……と。
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