スタバOK
前回のお話。
スマホの通話ボタンを、
震える手で押す男性。
「あっ、いま大丈夫?
今日楽しかったね…うんうん…
良かった~……
ダブルベリーフラペチーノ?
…うん…ほんと美味しかった。
涼子ちゃん喜んでくれてて……
スタバ正解だったよ…あ、こっちの話…。
あとさ涼子ちゃん…鼻に…
クリームつけてて…そう…うん…
可愛いかっ……え?!そうなの?
あれって誰でもそうなるの?
そうなんだ……うん…うん…
そうなの?…う~ん…フラペチーノ…
いや~ストロー使わず直飲みする人、
初めて見たからちょっと驚いたかな…。
うんうん…あ~環境に配慮して…
なるほど……さすが涼子ちゃん…。
うんうん…でも…
可愛かったなぁって……え?
いやいや、なんでもない、なんでもない。
また……
また新作出たら飲み行こう……。
うんうん……え?…そうなの?
そんなに早く?
涼子ちゃん大丈夫?
いいの?ほんと?
じゃあ、またその頃になったら、
また連絡する。うん。楽しみ。
それじゃあ。またね涼子ちゃん。
うん、また。バイバイ」
ポロン。
「うりゃー!よっしゃよっしゃ!
ヨッシャ~~!!」
部屋の中で何度もボディービルの、
モストマスキュラーポーズをする男性。
すると床に転がっていた、
スマホが鳴動!!
そして大音量の効果音!!
バババババーン!バババン!
突然、喋りだすAIスマホ。
「やるじゃないか田中!
さり気なく可愛いって言えてたな!
言ってる時のお前も、
なかなか可愛かったぞ~田中~♪
綿密な計画と、
準備を怠らなかった成果だな田中!
まさか涼子ちゃんが、
田中に言ってなかったこと…
実は私…左利きなのは衝撃だったな!
さすがの私も、
これは予想外!
しかし、いい感じだぞ田中!
次のデートの約束まで取り付けて。
相手からまさかのお誘いだったとはいえ、
順調にステップアップしてるなあ田中!
田中お前もしかして…、
恋愛上級者なのか?!
上手くいけばまた来週にも、
あの幸せな時間と空間が…。
しか~~し!!
邪な田中の考えを、
見透かしたかのように事態は一変!!
実は先日、
下校中、他校の生徒からのラブレターを
頬を赤らめ受け取る涼子ちゃん!!
…を目撃したという
不確定情報がチラホラ…。
そして、田中は気づいてなかったが、
実は涼子ちゃんには密かに恋人がぁ!!
…いるとかいないとかという噂が…。
次回!田中と涼子。
【実は私…田中くんのこと…】
シーユーアゲイン!!」
「お前は東スポか!」