アナタなら、ドゥしますか?
初めて、
彼女の部屋に来た男性。
男性はちょっと…
気持ちが高揚していた。
「おじゃましま~す。
おお~きれい~!
いいね~!
やっぱり女の子の部屋って、
華やかだよね~!」
(昨日、半日掛けて、
大掃除したからね…)
「ベッドもカーテンもお揃い!
ピンクで可愛い!」
「ありがとう」
「色々あるなあ~。
へえ~小説も読むんだ?」
「それは昔の本。
最近はネットで買うから」
「読書家なんだ~。
知らなかったよ~…
あっ!これ知ってる!
大泥棒の話!
怪盗アルセーヌ・ルピン!」
(ルピン?)
「ジャンルの幅が広いね~。
あれ?これってCD?」
「ああ、それね。
ネットで探してもなかったから、
中古で買ったの」
「これは…クラシック?
この顔、見たことあるよ!
音楽室に飾られてた!
名前なんだっけ…
表に書いてある……え~と、
フレ…デリッ…ク・チョピン!」
(チョピン?!)
「オシャレだな~。
部屋でクラシック聴くなんて。
あれ?
これって、松任谷由実さんだよね?」
「知ってるの?」
「知ってるよ~有名でしょ!」
「これは親が聴いてたのを聴いて、
好きになったの。
50周年記念のアルバムだから、
CDで残しておきたくて」
「有名な曲いっぱいあるよね~。
僕もこのアルバム、
気になってたんだよね~
ユーミング万歳!」
(ユーミング?!)
「僕の部屋と違ってセンスがいいね。
置いてあるものひとつひとつに、
コンセプトがあるっていうの?」
「あ、ありがとう」
「え?!これって!
これってあれだよね?
この名刺の名前…乃木憂助って!」
「あっ、それね。
この前のドラマにハマっちゃって、
グッズ買っちゃったの」
「格好良かったよね、堺雅人さん!
あのドラマ最高だったよ!
ヴィヴァント!」
(ヴィヴァント…
……
神様……
私はどうしたらいいのでしょう?
彼に真実を伝えて、
共に歩めばいいのでしょうか?
それとも…
このまま黙して…
おもしろキャラを…
楽しめばいいのでしょうか?
……アメン)