未来の安否確認
未来さんと光里さん。
御年80歳の未来さんと光里さん。
今日も井戸端会議で盛り上がる。
近くて遠い…未来のお話。
光里「未来さん、ちょっと聞いてぇ」
未来「どうしたの?光里さん」
「この間、施設の職員さんと、
安否確認の話になったのぉ」
「へえ~」
「実はひとり暮らしで、
週に1回だけ利用してる
仲のいいタメさんっていう
おばあちゃんがいるんだけど、
タメさんなかなか生活が厳しくて、
とうとう新聞止めちゃったんだって」
「なるほど。
そのタメさんは新聞取ってたから、
今までは安否確認の心配はなかったけど、
今後どうしようって話?」
「そうなのぉ。
実はタメさんも昔、
料金値上げで定期購読止めたんだけど、
70過ぎて独居だし、
娘さんは遠方でなかなか来れないし、
近所付き合いも、
ほとんどしてこなかったらしくてぇ」
「よく聞く話よね」
「もしものことを考えて、
また新聞取り始めたのに…」
「給湯器の見守りサービスとか、
宅配の安否確認もあるでしょ?」
「給湯器は調べたんだけど、
設備を揃えるのがちょっと大変で。
結構、お金がかかるらしいのぉ。
Wi-Fiもないとダメだったり」
「確かにそんな話聞いたことある」
「お弁当はいいと思ったけど、
タメさん料理上手なのぉ。
ほんと何作らせても美味しいのぉ。
お試し弁当食べてもらったんだけど、
口に合わないらしくてぇ」
「わりと薄味が多いって聞くしね」
「色々試したけど色んな理由で全部ダメ。
どうしたらいいって相談されちゃってぇ」
「介護員さんに?」
「そう」
「本職の方がダメなら、
お手上げじゃない?
じゃあ、自治体の見守りサービスは?」
「それも宅配業者との連携みたいでぇ」
「う~~~ん
……
タメさん、スマホ持ってる?」
「持ってるよぉ」
「じゃあ、SNSで連絡取れば?」
「それはやったらしいのぉ…
そしたら延々返事が来て、
職員さん仕事が手につかなくて、
困ってしまったみたいなのぉ」
「あ~そうなるのね。
これは難しいわねぇ~」
「でしょぉ?
あんまり対応に時間が掛かると、
サービスとして考えないと、
いけなくなるとも言ってたぁ」
「でしょうね。
30分以上の関わりだと、
介護サービスの対象になるでしょうね。
あっ!そうだ!
タメさんってスマホでゲームする?」
「確かやってるぅ…。
利用お休みの日は、
ゲームしてるとかぁ…」
「じゃあ、
ツムツムってゲームしてるかは?」
「ツムツムってあれぇ?
ディズニーのキャラクターの
パズルゲームぅ?
それは聞いてないなぁ」
「もし本人さえ良ければ、
それをインストールしてもらって」
「どうしてぇ?」
「それだと友達同士で、
ハートのアイテムを贈り合えるのよ」
「ああ~!」
「それならSNSの
頻繁なやり取りの必要もないし、
そのツムツムを使って、
朝昼晩とハートを贈り合えば、
安否確認になるでしょ?」
「未来さん、頭いい!」
「上手くいくと良いわね」
「うん」