三月さんと編集さん ~うっかりさん~
11月某日
雨のち晴れ時々、流行語
「ふべぇ~」
「何ですか、そのため息?」
「だってさ…
今日の記事見た?」
「見ましたよ。
戦隊モノのアレでしょ?
地球沸騰化のやつ」
「ちがっ…わなくもないか。
温暖化と一緒だもね。
グリーン水素の話」
「何か…
真面目に不真面目的な記事でしたね。
珍しく頭使ったような内容でしたけど、
生成AIで書きました?」
「失礼な!
noteのAIも使ってなければ、
ChatGptで書いたこともないわよ!」
「超短時間で書き上げて…
首振りダンスしながら、
ペッパーミルポーズで喜んでたから」
「してない!
そんな器用なこと出来ない!」
「で、記事がどうしたんです?」
「実は…投稿してから気付いたんだけど…
登場人物が被ってた…」
「あの色違いのヒーローですか?
もしかしてあの女性戦士ですか?
イタダキウーマンとかいう?」
「イエローウーマン!
ちがう!水素イエロー!
ちょっとタツノコヒーローになってる!
ちがうんだって。
水素ブルーが2回出てきちゃってたの」
「そうでした?
私、気付きませんでしたよ…全然」
「最終チェックは…あなたの仕事では?」
「私?私の責任?
いや、ちょっと忙しかったんですよ…
別班で」
「別件でしょ?」
「そうとも言います。
実はXで緊急の連絡が来て」
「何かあったの?」
「推しの個別イベントが、
急に開催することになって」
「プライベートだね」
「YKKって知ってます?
私、そこの大ファンなんです!」
「窓・サッシメーカーね。
って、それ展示会!」
「まあ、それが急遽、
パリで開催が決まって行ってきました。
これがまた大盛況で!
オーバーツーリズムのせいで。
私は研修目的ですけどね」
「まさかのエッフェル姉さん!
しかも何で観光客が、
YKKの展示会に殺到するの?!」
「5類になったからでしょうね」
「何でそこだけ、まともな答えなの?
て、言うか私の記事…再確認しました?」
「う~ん…私はしてません。
闇バイトの子に頼んだから」
「闇バイトの子ぉ?!」
「間違えた!
アルバイトの子だった。
時給1時間10円パンで」
「アルバイト代、現物支給!
それって低賃金の闇バイトじゃない?
いいのそれ?!」
「本人同意の上なので」
「別に私はいいけど。
で、その子、何も言ってこなかった?
記事の間違いについて」
「何か言ってたかなあ…
あっそうそう!
最後の…
オシッコして引き上げだ!
ってとこ…これって、
オシッコしてひき肉だ!
じゃないですかって確認に来ました」
「おかしいでしょ!
現場で何が起きてるの?!
そのアルバイトの子、大丈夫?」
「いい子ですよ。
三月さんに憧れてるって。
だから私は優しく…やめなさいって」
「いいじゃない!
私に憧れたって!
何で私のファンを削るの!」
「でも、あの人って…
こうこうこういう人だよって説明したら、
急に蛙化現象起こしてましたよ」
「その子に何言ったの…編集さん」
「なんだっけ?
そうそう…
あの人、いい加減な人だよって。
NGリストに入れておきなって」
「それだけ?
それだけでドン引き?
それに私のどこがいい加減なのよ!
NGリストに入れられるほどのこと、
した覚えがないんですけど!」
「あとがきが嫌いって書いておいて、
こうやって書いてしまうようなところ」
「参りました!」