見出し画像

王騒ぎ

人が魔物に、
支配されている世界。
 
「我が名は魔王ショウテン
 ここら一帯を治めるおさなり!
 この土地の住民は我にしたがい、
 我が城にて買い物をするのだ!
 ハッハッハ!」
 
「我は大魔王スーパー
 ここら一帯の魔王どもを、
 根絶やしにしてやったわ!
 魔王八百屋魔王肉屋魔王酒屋…。
 すでにこの地域は我が手中にある!
 魔王ショウテン|恐《おそ》るるに足らず!
 カッカッカ!」
 
「我は堕天だてん魔王ショッピングモール
 各地を治めていた大魔王スーパーは、
 降臨こうりんせし我の力で弱体化
 そして住民共じゅうみんどもよ!
 我はあやつのように甘くはないぞ!
 全国の優秀な部下を配下とし、
 完璧な布陣で新たな敵にそなえておる。
 我が傘下さんか百均ひゃっきん将軍
 同盟を結んでいるコンビニ将軍がいれば、
 最早もはや、全国…いや世界統一も、
 時間の問題ぞ!
 グワッハッハ!」
 
「我が名は天外てんがい魔王アマゾン
 世界の全ては我のもの!
 我の目と我の手が行き届かぬ場所など、
 この世界のどこにも存在しない!
 なに?城で買ったものが粗悪品
 なに?頼んだものが届いてない
 そんなのものは知らん!!
 我は多忙たぼうじゃ!!
 下々しもじもの者の言うことなど聞いてはおれん!
 これで我は世界の頂点に!
 そして行く行くは宇宙もこの手に!
 ブワッバッバ!」 


あるお店の店先に、
ひとりの子供
 
おばちゃん、か~う」
「こら。もう一回やり直し」
 
おねえちゃん、か~う」
「はい。
 今日は何が欲しいんだい?」
 
「この前、お願いしたお菓子は?」
「もちろん頼んで…おいたよ…ほら」
 
「ああ、これこれ!
 これちょうだい!」
「はい。100円。
 あときちんと挨拶あいさつできたから、
 これは、おまけ
 
「ありがとう、おねえちゃん!」
「またね。
 気をつけて帰るんだよ~!」
 
「うん」
「じゃあね~覇王はおうくん
 
 

このお話はフィクションです。
実在の人物・団体・商品とは一切関係ありません。

いいなと思ったら応援しよう!

二月小雨
お疲れ様でした。