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気になりダンス

僕は外の様子をうかがう振りして…
その横顔をチラリと見る。
 
きれいな横顔…
 
想い人の横顔…。
 
彼女と同じクラスになれたこと…
そして僕が隣の席になれたこと…。
 
この偶然を何度、
神に感謝しただろう。
 
明るく元気で、
誰とでも気さくに話ができる人。
 
ひまわりのようで、
彼女の笑顔は周囲をらし、
僕にはとてもまぶしかった。
 
「ねえ、佐藤くん」
「え?」
 
「ちょっとノート見せて。
 課題忘れちゃって、ごめん」
「あ、あ、いいよ…はい」
 
「借りるね。ありがと」
 
彼女の空気…
この距離感が心地良ここちいい。

 
 
登校時にはなぜか彼女は、
僕と歩道橋の真ん中ですれ違う。
 
まるで映画のワンシーンのように…。
 
うつむきながら通り過ぎる彼女…。
 
学校とは逆方向なのに…なぜ?

どこに行くの?
 
それとも…
 
まさか…?
 
 
この前も体育の授業が終わった後。
 
係の僕がひとりで片付けをしてると、
用具倉庫に彼女はやってきた。
 
「手伝ってあげる」
 
そういうと一緒に片付けをしてくれた。
 
二人しかいない用具倉庫…。
 
二人きりで……。
 
 
この前は突然、僕の肩を叩いて、
 
「佐藤くん、髪の毛ついてる」
 
「あ、あ、どうも」
 
そんなことある?
 
そんなことする?
 
ホコリでも嫌がるだろうに、
男子の髪の毛なんてさわりたくないはず…
 
なのに…
 
これってやっぱり…
 
かみよ。
 
これって…
 
彼女のサイン…
 
好意のあらわれ…
 
これは…
 
恋のはじまりでしょうか?
 
 
 
違います。
 
 あなたの気にしすぎです。
 
 あと私を呼ぶ時は、様を付けなさい
 
……チーン
 

 このお話はフィクションです。
実在の人物・団体・商品とは一切関係ありません。

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二月小雨
お疲れ様でした。