僕を落とすゲーム

僕は…
このゲームが苦手だ。
 
ハンカチ落とし。
 
ハンカチは…
いつも僕の後ろに落ちている。
 
別にいじめられてるわけじゃない。
 
でもいつも僕が握にぎってる。
 
握りたくないのにハンカチ握ってる。
 
うちのクラスは仲が良い。
休み時間はみんなで遊ぶ。
 
週に２回はハンカチ落とし。
なぜかクラスで大人気。
 
僕はまた鬼になる。
 
最初はダッシュするけれど、
１０回目になるとシャトルラン持久走。
 
まただ…。
 
また女の子が鬼になる。
 
女の子は置いていく。
僕の後ろに置いていく。
 
そして楽しそうに逃げるんだ。
捕つかまるギリギリのスピードで。
 
キャッキャッキャッキャと声上げて。
 
ヒーヒーヒーヒーは僕の息。
 
僕はいつもクタクタさ。
 
……。
 
その様子を、
遠目で見ている男の子。
 
「あいつ…
　また鬼やってる。
 
　モテるって…
　大変なんだな～」
 

このお話はフィクションです。
実在の人物・団体・商品とは一切関係ありません。