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ユニークで豊かな愛のある文字:フォントとロゴとタイポグラフィ

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二足で立って歩き、火を起こし、絵を描き、曲を奏で、言葉を話すようになった太古の人類は、「文字(type)」の発明によって叡智や歴史を伝え、都市を発展させ、交易を盛んにして文明を築…
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#デザイン

私と書体と背景

私と書体と背景

2024 年は、モリサワにとって大切な節目を迎える一年となりました。なかでも、10月に「写研フォント」をリリースしたことは、文字やデザインを支えるみなさんが注目する、大きなニュースになったのではないでしょうか。
今回のFont College Open Campusでは、写研フォントの改刻プロジェクトを牽引された 有限会社字游工房の書体設計士 鳥海 修氏をお招きし、書体設計にかける理念や、これまで

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FONTPLUS協力、デザインフェスティバル「Featured Projects 2024」の取り組みとWebのデザイン

FONTPLUS協力、デザインフェスティバル「Featured Projects 2024」の取り組みとWebのデザイン

2024年5月24日から26日にかけて開催されたデザインフェスティバル「Featured Projects 2024」。FONTPLUSは、クリエイティブスポンサーとして本イベントへWebフォントを提供いたしました。

幅広いクリエイターが集まり、多様なプログラムが開催された3日間。フォントワークス社員の中にはボランティアとして参加しているメンバーもおり、その横断的な場に刺激を受けたと言います。

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新作フォントふわりとくるり公開

新作フォントふわりとくるり公開

フォントが作られるまで

フォントのデザイナーのフロップデザインと言います。ついに新作フォントができました。夏の終わりに「混植の本」(MdN)を出版し終えたので、新しいフォントに取りかかりたいと試作を開始。秋から極太の角ゴシックの試作を繰り返していましたが、冒険が少ない気がして悩んでいました。そんな時にフッと湧いてきたアイデアがこのフォントです。

新作フォントの名前はふわりとくるりで、フォント名

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絶妙な古さの秘密とは?! フィルムエストの映像を文字から深掘り

絶妙な古さの秘密とは?! フィルムエストの映像を文字から深掘り

昭和のニュース映像と思いきや、アナウンサーが繰り出すのは「タピオカ」「インボイス」「新型コロナウイルス」といった「令和」のトピック。

一瞬いまが何年なのかわからなくなるような、古くて新しい、そして思わず笑ってしまう映像を作り続けている「フィルムエスト」。完全に架空の内容であるにもかかわらず、その再現度の高さから、本物の古い映像と勘違いする視聴者も多いのだとか。

今回は、2024年に改刻フォント

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組版に「正解」はあるの? 新潮社に学ぶ、良い組版の考え方

組版に「正解」はあるの? 新潮社に学ぶ、良い組版の考え方

組版を学ぶ人が陥りがちな「選択肢がたくさんあるけど、結局何を使うのが正解なの……?」という疑問。
その疑問を解決するために、日本を代表する出版社の1つであり創業100年以上の歴史を持つ新潮社様にお話を伺いました。
詳しい経緯は前回記事をチェック!

新潮社の文字組を見守ってきた金川さん

――金川さん、よろしくお願いいたします。まずは経歴からお伺いしてもよいでしょうか。

金川 新潮社に入社してま

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ドットフォントを作ろう

ドットフォントを作ろう

ちょっとした気まぐれでドットフォント作ってみました。基本的には四角を並べていくだけなので、はじめてフォントを作る人もドットフォントは向いていると思います。ブロックのように組み立てていく感覚で、楽しく作れます。

これは10×10のグリッドに「は」を描いた例です。一番上と、一番右は開けておきます。そうでないと文字同士がぶつかってしまうので。つまり実質は9×9のグリッドに描いていく感じです。

今回、

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写研フォントってなに? 知って使えばもっと楽しい書体の背景

写研フォントってなに? 知って使えばもっと楽しい書体の背景

いよいよ2024年10月15日に、写研フォントの提供が始まります。
Morisawa Fontsでは新書体として提供されますが、どの書体も実は数十年の歴史を持っています。今回はそんな写研フォントの歴史やバックグラウンドを、動画やWebページへのリンクを交えながらご紹介します。背景を知ることで、書体選びがさらに楽しくなること間違いなしです!

なお、今年度リリースされる写研フォントの概要を簡単に知り

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猫の絵文字もたくさん収録! 渾身の手書き8,000字超「しょこたんフォント」制作インタビュー

猫の絵文字もたくさん収録! 渾身の手書き8,000字超「しょこたんフォント」制作インタビュー

このたび、フォントワークスから「中川翔子のしょこたんフォント」が発売されました。なんと収録される約8,000文字を、中川さん本人に一文字ずつ手書きしていただくという手間暇かけたプロジェクト。ファンの皆さんにはもちろん、「こんなナチュラルな手書き書体がほしかった!」という人にもたくさん使っていただきたい、完成度の高いフォントに仕上がっています。発売を記念して、特設サイトでフォントの魅力をたっぷり紹介

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フォント管理ソフトを使おう!

フォント管理ソフトを使おう!

フォントは今や、クリエイター必須のアイテムです。ところがフォントをより有効に活用する管理ソフト・テクニックを取り入れていない人は多いです。今回はMacを使っているクリエイター向けになります(一般的なWindowsユーザーだとまた異なります)

フォントをダウンロードしているとフォントが増えてきます。またモリサワやフォントワークスなどのサブスクリプション契約をすると、さらに多くなります。とくに欧文は

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まんがタイムきららの「写植」を読む――吹き出しにみる漫画書体の使い分け

まんがタイムきららの「写植」を読む――吹き出しにみる漫画書体の使い分け

ご無沙汰しています。前記事から 3 年ぶりに note を更新しました。本稿では、芳文社の発行する「まんがタイムきらら」やその姉妹誌に掲載された作品の写植(吹き出し)に注目し、使用されている書体や、その書体が読者に与える印象に関して考察を行います。

「ぼっち・ざ・ろっく!」観てますか??アニメを観てから完全に難民になってしまったので、原作を無限に読んでいます。アニメよりもテンポが早く、4 コマの

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NHK大河ドラマ『どうする家康』のタイトルロゴが革新的である理由

NHK大河ドラマ『どうする家康』のタイトルロゴが革新的である理由

こんにちは、ちょっと株式会社の久保田です。

ついに2023年の大河ドラマが始まりました。
また1年が始まるんだなって実感。そして超売れっ子の古沢良太脚本の大河ドラマってどうなるんだろうって期待しかありません。

昨年の『鎌倉殿の13人』に続いて、今年のタイトルロゴもじっくり見てみました。

昨年同様に担当されたデザイナーが〜などの解説ではありません。
ロゴ大好きデザイナーがじっくり見て、そして感

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noteカメラ部のロゴを作りました

noteカメラ部のロゴを作りました

カメラ好きの皆さんこんにちは。#noteカメラ部 部員の佐賀野です。

noteカメラ部の活動が定期的に開催されるようになったので、先日noteカメラ部のアカウントが爆誕しました。

アカウント誕生にあわせて、私の方でnoteカメラ部のロゴを作らせていただいたので、簡単にコンセプト等を紹介させていただきます。

コンセプトnoteカメラ部の雰囲気を体現するものにしたかったので、noteカメラ部とは

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同人誌制作の心強いミカタ、mojimo-mangaをご紹介!

同人誌制作の心強いミカタ、mojimo-mangaをご紹介!

こんにちは、フォントワークスnote編集部です。
寒くなってきましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか? もしかすると、中には冬コミに向けて絶賛追い込み中という方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は、漫画や同人誌を制作されている方々を応援したいという思いから立ち上がったサービス『mojimo-manga』をご紹介させていただきます!

💡ここがすごいよmojimo-manga

ラグランパン

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かわいい? たまに人の顔に見えちゃう「ウムラウト」という符号

かわいい? たまに人の顔に見えちゃう「ウムラウト」という符号

ビジネスに使えないデザインの話ビジネスに役立つデザインの話をメインに紹介していますが、ときどき「これはそんなにビジネスには使えないだろうなぁ」というマニアックな話にも及びます。今回の話は、あまりビジネスには使えなさそうな話です。noteは、毎日午前7時に更新しています。

今回の話もまたマニアックなので、ドイツ語やスウエーデン語などを使う方以外には、ビジネスに関係して使うことはないだろう話です。

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