星野道夫さんー「センス・オブ・ワンダーの人」ーの世界観にふれる
先月14日に、「センス・オブ・ワンダー」(レイチェル・カーソン著)に関する記事を上げたのだけれど、
「センス・オブ・ワンダー」という言葉がその後も、心をとらえて離さない。
記事を上げて間もなく、図書館で、「センス・オブ・ワンダー」で蔵書検索をしてみつけた本の一冊のなかで、
「センス・オブ・ワンダーの人」として宮沢賢治らとともに挙げられていたのが、星野道夫さんだった。
星野道夫さんのお名前は、確か国語の教科書でも紹介されていたので、「写真家の方」とは知っていたけれど。写真集等をじっくりとみたことは、これまで、なかった。
と、数日後にふらりと立ち寄った書店で、「STANDARD BOOKS」と題されたコーナーに、「星野道夫 約束の川」という本が。2月に刊行されたばかり。
星野道夫さんが写真だけでなく、文章もたくさん残されていたとは、知らなかった。本の装丁が醸し出す静謐な雰囲気に惹かれて、その場で求める。
数日で、一気に読み、文章からアラスカの人々や大自然への大きな愛が、伝わってきた。
ただ、アラスカの様々な地名や、動物の名前(カリブー、ムース等)など、「初めまして」なことがらが、多く。
「もっと知りたい。」今度は図書館で、「星野道夫」で蔵書検索。
「星野道夫と見た風景」(星野道夫・星野直子著)
「【新版】悠久の時を旅する」
「ノーザンライツ」
これら3冊を借り、この1ヶ月ほど就寝前の読書タイムに、読み進めてきた。
最後に「ノーザンライツ」を二日ほど前に、読了。
1997年(急逝された翌年)発行と、今回借りた中では、一番古い発行の本なのだけれど、「幻のアラスカ核実験場化計画」など、「沈黙の春」にも共通するようなテーマについて詳細に書かれていたり、アラスカという土地の所有権をめぐることについて書かれていたりと、様々な角度から、興味深いものだった。
そして何よりも、文章を読んでいる束の間は、自分はまだ訪れたことのないアラスカの地に立っているような、そんな感覚に何度も、なるのだった。
風景、樹木、花、空に光る星、またたくオーロラ、動物の鳴き声・・・そんな自然の描写が、繊細になされているからだろうか。
星野道夫さんが、「センス・オブ・ワンダーの人」とされる所以を感じられる、幸せな読書体験であった。
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