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「ラストマイル」と「踊る大捜査線」とミッドライフクライシス

わたしはもともとドラマ好きで、「アンナチュラル」「MIU404」も星野源さんも野木亜紀子さんも好きで、だから、きっと楽しく観られるだろうと思い、「ラストマイル」を映画館に観に行った。

人気ドラマと同じ世界線で、あの人気者達が久しぶりに登場して、スタッフはおなじみのみなさんで、主題歌は米津さん!

そのオールスターで、映画という規模感で、エンタメ大作なんだろうなというぐらいの想像をしていた。ネタバレ、前情報は入れないようにした。

物語の当初は、大規模なエキストラや広大なロケ地に、さすが映画!と思って眺めていた。

ところが途中から、ただの爆破映画ではないかもと気づく。

今振り返ると、号泣ポイントがいくらでも出てきて、休暇中のわたしにとっては、響きまくりだった。

レーンの流れに乗る宅配物が、わたしには本に見えた。
いちおうわたしは、編集者なので。
本作りをしていると、何があっても必ず、決められた日に発売しなくてはいけないので。

とはいえ、わたしの場合は、仮に動きを止めたとしても、代わりをしてくれる人はいるし、助けてくれる優しい人たちがいるのはわかっている。
現にそうして今週は、休暇をもらったわけだし。

でも、毎月の流れに乗せなきゃとか、先月より、去年よりスケジュールの進め方が遅いかもと気になって、自分を責めてしまうのは確か。

映画のエンディング曲を聞いていても、帰り道歩いていても、心に刺さりすぎてつらかった。
一緒に行った娘たちに引かれるぐらい。

仕事しているのは人間なのに人間扱いされない、年齢とともにできない仕事が増えるけれど働き続けなくてはならない、不況、組織の歯車など、今のわたしにとってのキラーワードばかり詰まっていた。

昼間の「踊る大捜査線」の再放送も観ているから、余計に刺さったな。

あの頃は、すみれさん目線でのんきに観ていたけれど、今では感覚は、和久さんだな。少し早いけど。

若い者についていけない、事件は足で捜査する、アナログとハイテクの狭間で、腰痛のつらさと戦う気分だ。
ミッドライフクライシスともつながってしまった。

「ラストマイル」は、中高年に刺さる映画だったんだな。
火野正平さんと宇野祥平さんの父子の姿、中間管理職の阿部サダヲさんの存在も大きかったし。

今週はさまざまに考える機会を得た休暇となりました。



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