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いつか、また。


約半年ぶりに、姉一家と訪ねた隣県。

心に閉まっていた感情が、
また起き出してくる。



23歳 夏。
彼を見送った。

また会えると思っていた。
会うたびに「またね」って手を振った。

年に数回会えるか会えないか。
けれど、同い年の遠くても近い存在。
自分の道を貫く彼に憧れていた。


どうして。
言ってくれたら良かったのに。
彼のお店にも足を運びたかった。

後悔ばかりが募る。


それでも彼は、なにかの理由があって
この道を選んだのだろう。

その理由は誰も知らない。
知ることが出来ないのだけれど。


彼の時間は23歳で止まっている。

一緒に歳を重ねたくて、
お誕生日会をした。
良くないことと言われているけれど、
親族でたった1人同じ年生まれの私だからこそ
してあげられることかもしれないと思ってしまった。

一緒にケーキを食べて
一緒にお酒を飲む。

彼は人気者だったから、
『いろんなところでパーティーしてるかもね』
って母と笑う。




どうか。
幸せでありますように。

少し早く、お別れが来てしまったけれど
また会えるよね。

「またね」

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