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読書と手帳が好き / 育児と仕事と研究(大学院生)と…/ 40代になった、日々の記録

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最近の記事

【読書記録】ひこばえ/重松清

 何か本が読みたいな、と思い本棚から手に取ったのがこの本でした。読むのは2回目ですが、繰り返し読んでも味わい深く、また時間が経ったら読みたくなるだろうなと感じる大切な本です。  上下巻ある長編ですが、数日で一気に読了。  先の読めない展開にハラハラドキドキしながら一気に読む、というのとは少し違います。ストーリーは丁寧に穏やかに進んでいくのですが、気付いたら完全に主人公に感情移入し、物語の中に入りこんでいました。重松清さんは本当に「おじさん」の描写が素晴らしいと思います。こん

    • 夏のつかれをひきずっている

       10月になったけれど、私はまだ夏の疲れを引きずっている。こころもからだもイマイチ調子が出ていない。  今年の夏は本当に暑かった。いや、まだ昨日の昼間も歩いているだけで汗をかくほどに暑かったし、過去形にできないのかもしれない。  夏生まれで、夏を連想する名前であることも相俟って「季節の中では夏が一番好きです!」と子どもの頃から言い続けてきたけれど、もう夏が一番好きではないと言ってしまいたい!  暑さだけでなく、今年の夏はふたりの子どもたちがそれぞれ一生懸命スポーツをしている

      • 【読書記録】ツミデミック/一穂ミチ

         先日1年以上ぶりにnoteに投稿し、改めて読んだ本の記録をすることが自分にとって有意義であることを実感しました。思考が整理されること、そして投稿後に同じ本を読んだ人の様々な感想や見方を知って色々考える時間が好きです!そして本好きの方のnoteから新たに読みたい本の存在を知るのも楽しい。書くことのハードルは少し下げて、もっと気軽に綴っていきたいなと思います。  最近読み終えたのは、直木賞を受賞された一穂ミチさんの短編集「ツミデミック」です。スモールワールズがとても良かったの

        • 【読書記録】なぜ働いていると本が読めなくなるのか/三宅香帆

           本屋さんでパラパラ立ち読みしていたら、私の好きな映画「花束みたいな恋をした」が序章で引用されていて、その部分に引き込まれて思わず購入した1冊です。  私自身は「働いているから本が読めなくなった」という経験はなくて、むしろ仕事や育児で読めない期間があると、心がスカスカのスポンジになってしまったような気持ちで苦しくなり、反動で水を吸収するスポンジのように本を読む期間が来る、というサイクルを繰り返しています。今はまさにその期間。でも、「本は読めないのになぜかスマホをいじる時間はあ

          【読書記録】限りある時間の使い方/オリバー・バークマン

           久しぶりにnoteを書くことができました。12月を気忙しく過ごし、少しだけ本を読む余裕ができた年末年始に読んだこの本の内容が今年の自分にとって大切になりそうなので、今年の抱負も含めて記録に残しておきたいと思います。 生産性の罠  この本はタイトルからタイムパフォーマンスについてのHow to 本なのかな?という印象を受けますが、その逆で、「効率を上げれば上げるほどますます忙しくなる」という「生産性の罠」を指摘しています。そして、時間と戦っても勝ち目はないことを自覚し、有

          【読書記録】限りある時間の使い方/オリバー・バークマン

          【読書記録】 「繊細さん」の本/武田友紀

           この本を最初に読んだのは2年ぐらい前でした。当時はそこまでHSP(Highly Sensitive Person:とても敏感な人、繊細さん)という言葉は一般的ではなかった気がしますが、今はHSPと公表されている芸能人の方もいたり、雑誌やテレビで取り上げられている様子も時々見かけます。  自分はこの本を読んで気持ちがとても楽になったので、自分にとっては読んで良かった大切な一冊です。今も気持ちがしんどくなったら時々手に取ります。  ただ最近は「私はHSPです!」という主張のよう

          【読書記録】 「繊細さん」の本/武田友紀

          来年の手帳を決めました

           10月も終盤となり、9月から続いていた私の手帳会議もやっと着地点が見つかりました。この選んでいる時間も大好きなのですが、今回はnoteを始めたこともあり、様々な方の手帳選びの記事を読んで、ますます楽しく選ぶことができました。読書記録についてもそうなのですが、自分が好きなものをアウトプットすることで考えを整理できたり、他の皆さんが書いた同じテーマの記事を読んで、更に深く考えたり楽しんだりすることの醍醐味を感じています。  手帳会議の結果、来年はほぼ日手帳weeksを2冊使い

          来年の手帳を決めました

          【読書記録】こちらあみ子/今村夏子

           この本を読んだきっかけは、映画「花束みたいな恋をした」を観たことです。  この本に収録されている「ピクニック」という短編は、主人公の麦と絹が感銘を受けた小説で、映画の中でも重要なシーンに何度か「今村夏子のピクニック」というキーワードが出てきます。  私はこの映画の世界観が大好きで、俳優さんも好きで、おまけにロケ地は20代の自分が住んでいたり働いていたりよく知っている場所ばかり。映画の好みが全く合わない夫と「この映画、いいよねー」とめずらしく共感した作品でした。それなのに、私

          【読書記録】こちらあみ子/今村夏子

          【読書記録】スモールワールズ/一穂ミチ

           風に漂う金木犀の香りを感じながら朝と夕方保育園の送り迎えの自転車を漕ぐ。ああ、大好きな季節だと思い、足速に過ぎ去ってしまうこの時期をしっかり味わいたいなと感じています。そして、読書の秋も満喫したい。この秋は、新たな本というよりも、これまで読んだ本をもう一度ゆっくり味わいながら記録をつけていきたいなと思っています。  前回に引き続き、こちらも短編集です。  一穂ミチさんの作品を読んだのは今回が初めて。本屋大賞へのノミネートで気になって手に取りました。この本は作品によって読後

          【読書記録】スモールワールズ/一穂ミチ

          【読書記録】ギフト/原田マハ

           私は短編集が好きです。育児や仕事に追われていても、短編集ならちょっとした隙間時間に手に取れる。読んだ後には新しい感情を湧き上がらせてくれて、日常が彩って見える。それが今の自分にとって、とても心地良いのです。長い小説を読むと没頭してしまって、他のやるべきことに支障が出てしまうこともあるので、十分時間が取れない期間は短編集を読んでいます。  この本は、併録されている「ながれぼし」以外の20の物語はそれぞれがとても短くて、5分あれば読めてしまいます。一つ一つの物語の余韻は甘酸っ

          【読書記録】ギフト/原田マハ

          【読書記録】世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方/八木仁平

          この本は一昨年、進路に迷っていた時に読んだものです。 最近今までの手帳を見返す中で、ギッシリと感想が残してあったので久しぶりに手にとって再読しました。 内容は論理的でとにかく分かりやすいです。本文のデザインも大事なところにマーカーが引かれていたり、図やイラストも見やすく洗練されているので、サクサク読めてすんなり頭に入ってきます。テスト前に勉強のできる友達のすごく分かりやすいノートを借りたような感覚。 要点としては、 本当にやりたいこと= 好きなこと(情熱)✖️得意なこと(

          【読書記録】世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方/八木仁平

          幸せな手帳ジプシー

          私にとって毎年恒例の、来年の手帳を探してドキドキワクワクする期間がやってきました。どんな手帳にするのかについて、直感、ビジュアル、その手帳の長所と短所、自分のライフスタイルとの擦り合わせなど、選択に関わる様々な要素を比較検討するこの時間が大好き。最近のスケジュール管理はスマホのアプリで夫と共有が基本ですが、手帳はスケジュール管理を越えて、自分の大切な記録のために必要なもの。本棚の奥にしまってあるこれまでの手帳を見ながら、短い自分の人生を振り返ってみて、自分のライフスタイルによ

          幸せな手帳ジプシー

          6歳の息子が観た「となりのトトロ」

          先週の金曜ロードショーは「となりのトトロ」でした。 年長の息子は、保育園で友達からそれを聞いたらしく、 「きょう、きんようロードショーでとなりのトトロやるんだってー。○○くんも○○せんせいもみるんだって。Sくん(自分のこと)もみたいよー。」 と言ってきました。我が家はジブリ関連のものは大体すでに録画済みで、となりのトトロも数年前の金曜ロードショーが録画されていたので、週末に家族で鑑賞することにしました。 小学6年生の娘も「何回かみると、新しい気づきがあるよね。」と数回目の鑑

          6歳の息子が観た「となりのトトロ」

          【読書記録】百花/川村元気

          普段本を選ぶときに、すでに映画化されているものはあまり選びません。なぜかというと、原作を後に読むとどうしても俳優さんのイメージが入ってきてしまって、自由な発想や感覚で読めないような気がするからです。 本屋さんでこの本を見た時、カバーが映画化を前面に押し出している感じだったのでちょっと迷ったのですが、ストーリーに惹かれて是非読んでみたいと思いました。 私の祖母はアルツハイマー型認知症でした。認知症の人とその介護者支援については自分のライフワークでもあります。 読んでみてまず

          【読書記録】百花/川村元気

          【読書記録】おいしいご飯が食べられますように/高瀬隼子

          読んだ本の記録をつけていきたいなと思い、読書記録をしてみます。 昔から本が好きです。「本屋さん」も大好き。「本屋さんの匂い」も好き。 独身時代は本屋さんにいる時間自体が癒しでした。 ところが子どもと本屋さんに行ってもなかなかじっくり選べない。 「ママーこっち来てー」「これ見てー」「あれ欲しいー」と繰り返す小さなモンスターをなんとかなだめながら、できるだけ早めにお店を後にしたい….。 という訳で、最近本を購入するパターンは、① 新聞やネットの書評で気になっていたものをパッと見つ

          【読書記録】おいしいご飯が食べられますように/高瀬隼子

          祖母のこと

          祖母のことをどこかに記しておきたかったので、最初の記事にします。 祖母が亡くなって10年ほどになります。 私が祖母と暮らしたのは、大学入学を機に一人暮らしを始める18歳まで。 大学卒業後は看護師として都内の急性期病院で働いて、結婚して、出産のために里帰りしたのはその10年後。久しぶりに共に暮らした祖母は、アルツハイマー型認知症になっていました。 母は祖母の介護に疲弊していて、祖母はいつも不安そうな顔をしていました。 私が大学生の時、認知症はまだ「痴呆」と呼ばれており自分は看

          祖母のこと