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祖母のこと

祖母のことをどこかに記しておきたかったので、最初の記事にします。
祖母が亡くなって10年ほどになります。
私が祖母と暮らしたのは、大学入学を機に一人暮らしを始める18歳まで。
大学卒業後は看護師として都内の急性期病院で働いて、結婚して、出産のために里帰りしたのはその10年後。久しぶりに共に暮らした祖母は、アルツハイマー型認知症になっていました。

母は祖母の介護に疲弊していて、祖母はいつも不安そうな顔をしていました。
私が大学生の時、認知症はまだ「痴呆」と呼ばれており自分は看護師でありながら認知症についてほとんど知識を持っていませんでした。精神的に追い詰められていく母の相談にも乗れなかったし、祖母にどう対応していいのかも分からず、無力感を感じていました。今思い出しても後悔ばかり。

その後、施設に入った祖母は大腿骨頸部骨折となり入院をしますが、お見舞いに行った病院ではナースステーションから一番良く見える部屋で、手にミトンをつけて、体も縛られてとても辛そうにしていました。そのまま亡くなった祖母の姿を思い出すと今も涙が出ます。

私は祖母のことが大好きでした。子どもの頃は、母に怒られたら祖母の部屋に逃げ込んで、一緒にお相撲を見たり、祖母の好きなとうもろこしや栗を食べたりしたのを思い出します。祖母はいつでもニコニコ迎え入れてくれました。小学生の時には、祖母のこと書いた作文が最優秀賞に選ばれて、市民ホールで行われた敬老の日のセレモニーでその作文を朗読したことがあります。それは地元の新聞にも顔写真付きで掲載され、新聞の切り抜き記事は黄ばんでシワになってもずっとずっと、祖母の部屋に飾られていました。祖母が喜んでくれたことが嬉しくて、帰省する度に壁に貼られたその記事を見て、じんわりと温かい気持ちになりました。

祖母の死後は、家族に何もできなかったという後悔から、看護師として認知症ケアに携わりたいと認知症デイケアで働きました。そこでも様々な状況で苦しむ認知症の人やその家族介護者、施設などのスタッフと出会います。直接的なケアのやりがいや素晴らしさも実感していますが、認知症の人やその介護者の方に、自分がもっとできることはなんだろうとずっと考えています。その一つとして、今は非常勤で働きながら大学院で研究をしています。子育てしながら日々バタバタと、ですが。

基本的に昔から文章を書くのが好きです。
書いていると自分の思考が整理されて気持ちが落ち着きます。
最近は論文形式の固い文章ばかり書いていて、気分転換にたまには柔らかくて気軽な文章が書きたいなと思いnoteを始めてみることにしました。
今後は日々の生活の中で感じたことをつらつらと書ける場所になればいいなと思っています。


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