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【読書記録】ツミデミック/一穂ミチ
先日1年以上ぶりにnoteに投稿し、改めて読んだ本の記録をすることが自分にとって有意義であることを実感しました。思考が整理されること、そして投稿後に同じ本を読んだ人の様々な感想や見方を知って色々考える時間が好きです!そして本好きの方のnoteから新たに読みたい本の存在を知るのも楽しい。書くことのハードルは少し下げて、もっと気軽に綴っていきたいなと思います。
最近読み終えたのは、直木賞を受賞された一穂ミチさんの短編集「ツミデミック」です。スモールワールズがとても良かったのでぜひ読みたいなと思っていました。
今回も、一つ一つの作品の読後感が本当に多様で、「短編集」だけれど全部が響き合って出来上がっているのが素晴らしいです。
読みながら、パンデミック渦中の記憶が呼び覚まされ、最終章の現在までの時代の流れを追体験しているような感覚がありました。
前半の3編(違う羽の鳥、ロマンス☆、憐光)は読後感が重くしばらく引きずってしまいましたが、後半の3編(特別縁故者、祝福の歌、さざなみドライブ)は少し光と救いが見えてホッとしました。それでもまた前半に戻ってもう一回読みたくなってしまうのが不思議です。
パンデミックの時期、今考えると「異常」と思えることが沢山あるけれど、その時はその時代の流れを受け止めながら必死で過ごしていました。少し忘れかけていた感覚を、この本を読んで様々な角度から追体験することができました。どの作品も自分と無関係の世界ではなく、紙一重の世界なのかもしれない…という危うさが、今も私の心の中で渦巻いています。