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#小説
processing~記憶の部屋~#1「監禁」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・う・・・・」
「・・・・こ、ここは・・・・」
横たわった男性が目を開けた。
男性は周りを見渡した。
10畳くらいの薄暗く、狭い部屋。
男性は見覚えがなく困惑してる様子だ。
男性は起き上がりまた辺りを見渡した。
そこには男性以外にも3人横たわっていた。
「おい!生きてるか!?おい!」
男性はすぐ近くにいた女性の肩を叩きながら声をかけた。
「
processing~記憶の部屋~#2「キーワード」
天井につるされたスピーカーが鳴り出した。
スピーカーから女性が話しかけてきた。
『槙野、浅倉、桃山、目が覚めましたね。ようこそ”記憶の部屋”へ。』
槙野が先に口を開けた。
「だ、だれだ!なんで俺らをここに閉じ込めた!?」
「お願い!出して!ここから出して!」
桃山が声をあげた。
『あなたたちにはいくつかの問題を解いてもらいます。その問題を解くことによってあなたたちをここから出してあげ
processing~記憶の部屋~#3「四人」
「浅倉ちゃんすごいね!まさか一発で共通点見つけたね!私たち同期になるんだね!すごい!」
「桃山。そんな嬉しいそうに言うな。」
「別にいいじゃん!もしここ抜けたら私たち働くんだよ!入社前にもうお友達ってことじゃん!」
その瞬間まだ目を冷ましていなかった男性が目を開けた。
「う・・・う・・・・こ、ここは・・・。」
「おい!大丈夫か?わかるか?」
槙野が男性に近づいた。
「あ、はい・・・大
processing~記憶の部屋~#4「照合」
桃山は奥田に目が覚めてからの話、キーワード、失われた未来の話をした。
奥田は目を見開き今の現状と、自分の頭の中でさらに考えるように頭を抱えた。
「な、なんてことだ。皆さん僕の今から話すこと覚えてること全部話します。ただ混乱しないでください。僕もなぜそのような状態なのか、わかっておりません。もしかすると僕の話すことが、このモニターに映ってる写真の答えになるかもしれないので。」
奥田はモニターの
processing~記憶の部屋~#5「M」
槙野はただうずくまり頭を抱え込んだ。
その時の槙野の頭の中で何かが浮かび上がった。
・・・・・・・・・・・・・・・
槙野は走馬灯を見た
白い壁の部屋、白いカーテン、顕微鏡などが入った棚、たくさんの参考書などが入った本棚、中央には4人分のデスクの島がある。
「ここは研究施設か?・・・・」
槙野はあたりを見渡す。
そこに二人の男性が部屋に入ってきた。
槙野は逃げようとしたが動くことがで
processing~記憶の部屋~#6「失われた未来」
槙野の記憶は走馬灯のように戻ってきた。
「まさか・・・。」
「みんな聞いてくれ!俺・・・・・」
槙野はあたりを見渡した。
すると
浅倉、桃山、奥田は3人は倒れていた。
「おい!みんな!みんな!・・・・」
槙野は三人に呼び掛けた。
浅倉も、桃山も、奥田も目を覚ますことがない。
槙野は放心状態となった。
絶望を感じ死んだような目つき
槙野は口を開いた。
「・・・見てるんだろ。・
processing~記憶の部屋~#7「犠牲」
「滝川は大物政治家で籠山メディカル理化学研究所の執行役員だ。その後も調べるのち、滝川は真鍋と一緒に殺人ウイルス兵器を作りテロを起こそうとしていた。
真鍋はウイルスまでは作ることができたがワクチンは作ることができなかった。だから俺に依頼したんだ。」
「・・・ごほ!・・・ごほ!・・・」
槙野は突然咳をした。
手で口を押さえ、口から吐血をしていた。
「・・・そろそろかよ・・・」
『たっくん!
processing~記憶の部屋~#8「メッセージ」(完結)
そして月日は3年がたった。。。
2023年・・・・・・ニュース
『・・・2021年における”感染型記憶消失ウイルス・M”の流行から2年たちました。・・・』
『・・・"M"の感染者は100万人、死者30万人と2021年は大変な年でした。・・・』
『2021年感染爆発が起こった日本は、籠山メディカル理化学研究所にワクチンの研究依頼をしました。そして2020年に厚生労働省に認可が下りたことにより