processing~記憶の部屋~#6「失われた未来」
槙野の記憶は走馬灯のように戻ってきた。
「まさか・・・。」
「みんな聞いてくれ!俺・・・・・」
槙野はあたりを見渡した。
すると
浅倉、桃山、奥田は3人は倒れていた。
「おい!みんな!みんな!・・・・」
槙野は三人に呼び掛けた。
浅倉も、桃山も、奥田も目を覚ますことがない。
槙野は放心状態となった。
絶望を感じ死んだような目つき
槙野は口を開いた。
「・・・見てるんだろ。・・・真紀・・・。」
ガー・・・ガー・・・
スピーカーからMの声が聞こえた。
『・・・たっくん!・・・たっくん!・・・思い出したの!?・・・。』
「・・・あぁ・・・ありがとう・・・すべて思い出した・・・。」
真紀と呼ばれるMの声、泣きながら
『・・・よかった!・・・本当に・・・良かった!・・・こっちは大丈夫!・・・みんなは!?みんなはどうしちゃったの!?』
槙野はカメラに向かって話始めた。
「真紀・・・本当にありがとう・・・近くにいるんだよね?・・・兄貴・・・」
スピーカーから男性の声が聞こえた。
『ああ。拓。真紀さんの近くにいるよ。』
彼の名前は槙野俊。槙野拓の実の兄
「ありがとう。・・・」
『拓。お前の言う通り動いた。滝山、真鍋は無事捕まえたよ。あとはお前の口から真実を教えてくれ。』
「・・・ありがとう・・・真紀・・・今から話すこと・・・しっかり聞いてくれ・・・。」
真紀は泣きながら答える。
『・・・うん・・・』
槙野は深呼吸をした。
顔色はどんどん悪くなっている。
そして決心をしたように話を始めた。
「俺は真鍋に頼まれある研究を行っていた。それはアルツハイマーに関しての実験と研究を前いた生物化学DNA研究部でしていた。
真鍋がもともと進めていた研究であったが室長に昇進したのち、この研究を細菌感染研究本部で行ってほしいと言われ浅倉、桃山、奥田と俺の4人で新たにチームを作った。真紀は別で海外での講演があったためのちにチームに招く予定だった。
俺たちは以前の研究データを参考にアルツハイマーがウイルス性の物もないかと研究を始めた。その研究途中であるウイルスが真鍋から差し出された。」
・・・・・・・・・・・
『槙野、このウイルスをもとにワクチンは作れないか?』
『真鍋さん。このウイルスは?』
『まだはっきりと話はできないが、動物などで採取されたまだ未発見のウイルスだと思ってる。ただまだワクチンもない状態で外に公表はできない。我が研究所で初の発見と初のワクチン対策を政府に提出したい。今はまだよに出てなく、人にも害はないが、いつか大きな影響になるかもしれない。だから早めに手を打っておきたい。』
『真鍋さんが言うならわかりました。やってみます。』
・・・・・・・・・・・
「俺はそのウイルスについて調べ、ワクチンを作ることになった。ただそのウイルスは調べれば調べるほど自然界で生まれたものとは違っていた。
きっと誰かの手によって作られた”人工ウイルス”だと確信した。
その後、俺は真鍋の見えないところで動物実験など様々な実験を行った。
そこにはとんでもない光景を見た。
それは”自由に記憶の一部を消す”ことができるウイルスだった。
俺はそのあと真鍋の行動や何が目的なのか調べた。
そこにはとんでもないことがわかった。
ある晩、真鍋の電話を盗み聞きしたんだ。」
・・・・・・・・・・・
『もしもし。滝川先生お久しぶりです~。』
真鍋は上機嫌に電話で話をしている。
『先生が望むウイルスは、もうまもなく完成します。実験も十分にできております~。・・・はい~もう少ししたらワクチンもできます。それができ次第ご連絡さしあげますね~。・・・いえいえい~先生の理想とする国家、いえ世界のお手伝いができることをうれしく思いますよ~これで我々籠山メディカル理化学研究所も大きく羽ばたけます~。はい~それでは失礼いたします~。』
・・・・・・・・・・・
「滝川は大物政治家で籠山メディカル理化学研究所の執行役員だ。その後も調べるのち、滝川は真鍋と一緒に殺人ウイルス兵器を作りテロを起こそうとしていた。
真鍋はウイルスまでは作ることができたがワクチンは作ることができなかった。だから俺に依頼したんだ。」
#6 「失われた未来」 完
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次回 #7 「犠牲」
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