processing~記憶の部屋~#3「四人」
「浅倉ちゃんすごいね!まさか一発で共通点見つけたね!私たち同期になるんだね!すごい!」
「桃山。そんな嬉しいそうに言うな。」
「別にいいじゃん!もしここ抜けたら私たち働くんだよ!入社前にもうお友達ってことじゃん!」
その瞬間まだ目を冷ましていなかった男性が目を開けた。
「う・・・う・・・・こ、ここは・・・。」
「おい!大丈夫か?わかるか?」
槙野が男性に近づいた。
「あ、はい・・・大丈夫です・・・ここはいったい。」
「私たちもわかないの。監禁されてることしか。」
「監禁?なんでまたそんなことに・・・・」
その瞬間スピーカーからMの声が聞こえた。
『おめでとう。一つのお題を良くクリアしましたね。奥田も目を覚ましましたね。それでは続いてのお題に移ります。』
「おい!ちょっとまて!失われた未来ってなんだよ!そもそも俺たちとあんたはどんな関係なんだよ!教えろよ!」
槙野が叫ぶ。
『それはお題を解いていけばわかることです。』
「ふざけんな!こんなことやってられるか!さっさとここからだせ!」
『槙野拓、今あなたが置かれてる現状が理解できてないみたいね。どんなに叫んでも、わめいてもこの状態は変わらない。密室であり、だれも近くにはいない。助けてくれる人さえいないのよ。さらにこの部屋の外には爆弾も仕掛けてある。あなたたちは無理やり出ようとすればその部屋なんて簡単に吹き飛ぶわ。それでもお題に答える気はない?』
Mは少し強気になった。
「・・・くそ!・・・あぁいいさ何でも来いよ。クリヤしてやんよ。ただな!この部屋抜けだしたら必ずお前を捕まて殴りに行くからな!覚えてろよ!」
槙野はカメラを睨めつけ、指をさしながら叫んだ。
『・・・いいでしょう。あなたたちが無事にここから出られたらの話ですが。・・・それではモニターをご覧ください。』
モニターには1枚の写真が映し出された。
「なんだこれ。」
「え、どういうこと?」
「なんで!?なんで私たちが映ってるの!?」
桃山がいう私たちという写真。
今この監禁されている四人が白衣を着て笑顔で横に並ぶ1枚の写真だった。
「俺たちは初めてじゃないのか?俺たちは以前どこかであってたのか?どういうことだ!?」
槙野は頭を抱えこんだ。
その次の瞬間浅倉がうずくまって叫びだす。
「あ・・・あ・・・あーーーー!!!」
「浅倉ちゃん大丈夫!?どうしたの!?」
桃山が叫ぶ浅倉のそばに近づき背中をさする。
「あ、頭が・・・頭が・・・・」
「桃山!浅倉先輩のポケットに薬があるはずだから飲ませて!」
「え!?え!?あ、うん!わっかた!」
桃山は浅倉のポケットから小さな箱を取り出した。
テーブルにペットボトルが置いてあり、奥田はキャップを開けて
匂いと味を確認したら桃山に渡した。
桃山はその薬を浅倉に飲ませた。
次第に浅倉は落ち着きを取り戻した。
「あ、ありがとう・・・。」
「よかったー!浅倉ちゃん安定した!!!」
安心した空気感になったとたん槙野は奥田につかみかかった。
「おい。お前何者だよ!なんで浅倉のポケットに薬が入ってること知ってた。そして先輩ってどうゆうことだ!」
「ちょ、ちょっと槙野先輩・・・く、苦しい・・・。」
「お前Mのスパイか?なぁ!?答えろって言ってんだろ!?」
奥田は締め付けられ何もしゃべれない。
「もう!槙野くんまって!話だけ聞いてあげようよ!そんなんじゃ死んじゃうよ!ダメだよ!」
桃山が間に入り、槙野は奥田を振り払った。
「ごほ!・・・ごほ!・・・はぁ・・・はぁ・・・桃山ありがとう・・・はぁ・・・はぁ・・・。」
奥田は桃山にお礼を言う。
「ごめんね。急に・・・私たち全く分からなくて・・・混乱してたの・・・。落ち着いたらで良いからお話聞かせてくれる?」
槙野は近くのソファーに腰を掛け浅倉の様子を見ながら黙ったまま下を向いた。
奥田は落ちつき、桃山に話しかける。
「桃山、ちょっと状況が読めないので、僕が起きる前何があったか教えてもらえる?話はそこからでないと、さらに混乱を招きかねない。」
「あ、うん。そうだね。」
桃山は目が覚めてからの話、キーワード、失われた未来の話をした。
奥田は目を見開き今の現状と、自分の頭の中でさらに考えるように頭を抱えた。
「な、なんてことだ。皆さん僕の今から話すこと覚えてること全部話します。ただ混乱しないでください。僕もなぜそのような状態なのか、わかっておりません。もしかすると僕の話すことが、このモニターに映ってる写真の答えになるかもしれないので。」
#3 「四人」 完
======================
奥田が目を覚まし、奥田の行動
さらに逃げられない監禁、浅倉の異変、
奥田の口からでる話は今後どのように変わるのか。
次回 #4 「照合」
======================
#4 「照合」へ
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?