立ち上げメンバーの闘い6:楽しさが辛さに
二年経過し、一人、また一人仲間が増えていった。
私は女性だったからなんだろう、庶務もやりながら、みんなのサポート役みたいな立場だったので、ほとんどみんなと顔を合わす機会も減って行った。
【社内での存在感】
たまに全員揃った時、何となく自分が蚊帳の外にいるような疎外感を感じ始めていた。
·女性社員の入社
経験年数も年齢も同じ女性が入社した時から、その思いは強くなり始めた。
彼女は私よりスキルが高いので、女性同士ということもあり、社長や上司も仲良く助け合いながら私の精神的な部分も楽になるだろうと言葉をかけてくれた。
私も嬉しかったし、彼女と仲良くやっていた。
会社では会議がたまにあったが、外回り専門の私は参加出来ないことがしばしばあった。
そんな時、彼女に会議の内容を聞いてみると
「○○ちゃんには関係ないから気にしなくても大丈夫だよ」
私に関係ない?
同じ部署の人間なのに?
彼女は悪気はないし、普段仲良く話しているから特にマイナスな感情は持っていなかった。
みんなも気づいていなかった。
それぞれ仕事に一生懸命だったし。
上司とのコンビネーションは続いていたが、私のことを見えているのは上司だけだったように感じる。
社長も遠い存在になっていった。
姿が見えない私は
良く言えば「縁の下の力持ち」
悪く言えば「透明人間」
自然と評価対象から外れ始めていた。
·透明人間になりたくない
どんなに必死に仕事していても、寝ずに働いていたとしても、その姿が見えないのは、
自分の努力が足りていなくて
みんなに付いていけてないからだ
私はもっと自分を追い込んで、日報もより詳細に記録するようにした。
·雇用条件の違い
ある日、たまたまBくんとお給料や手当て、休日の話になった。
そこで条件が違うことがわかった。
みんな資格手当てがあるらしい。
私は資格者なのに、手当てをもらったことがない。
日曜祝日盆暮、隔週土曜日休みらしい。
私は土曜日は休みではない。
休みは特に気にしていなかったので、どうでも良かった。
そもそも私は底辺で、天才上司の右腕になるために、お金をもらいながら修行しているとしか考えてなかったから、お給料も気にしなかった。
Bくんは、社長に資格手当てや昇給の相談をしてみてはどうかとアドバイスしてくれた。
余りお金の話はしたくなかったが、試しに相談してみることにした。
【私の価値と存在意義】
社長からの言葉は更に私を追い込んだ。
資格手当ては君にはつけられない。
昇給も難しい。
理由はわからなかった。
わからないから、辛さに変わった瞬間だった。
命掛けで立ち上げからやって来たつもりだった。
サボったことなんてないし、自分や子どもが体調不良でも自宅で仕事することさえあった。
全部日報に書いてきたのに、どれだけ懸命に忠誠を誓って仕事に捧げてきたか。
見てもらえてなかったんだ…
自分の思いとは裏腹に、状況は悪くなる一方だった。
#転職体験記