hello good bye
(地域情報誌フジマニ 2010年5月号 vol.48 掲載の編集長コラムから転載)
あの娘は泣き虫で/僕は弱虫さ/とっても似合いの/二人じゃないか
すっかり、春ですねぇ。今年もまた出会いと別れの季節があらわれて、たくさんのこんにちはとたくさんのさよならが咲いては散った。まるで陽気に当てられた桜の花みたいに人は出会って、風に吹かれた桜の花びらみたいに人は別れる。でも、そんな出会いひとつひとつにだって、すべて意味があるのだと思いたい。出会わなけ
とびきりのアイディア
came up with!
俺すごいこと思いついたんだよ! と連れの若者に電車の中で熱っぽく語る20 代くらいの若者がいた。
「雑貨とか洋服とかを売るお店を作るときに、いちばんキツいのは商品を買い揃えることじゃん? 売れたら儲けだけど、売れなかったら持ち出しで儲からないじゃん。だから、商品をお店が買うんじゃなくて…っていうビジネスなんだよ! 商品って、それを作ってる人はお店に商品が並ばないと売れないわけじゃん? だけど、お客さんはその商品を買ってくれるかどうかわからないじ
生まれゆく場所
the living room
この世界を生きるためには支えや、よりどころが必要だ。
その支えがなんなのか。それはそれぞれの立場や、生きかた、あり方によって違うだろうけれど、でもきっと誰かに必要とされているという感覚や、家族や、大切な人、共に築こうとする誰かと描く未来のビジョンが、その支えになるのだろう。
そんな支えがある日突然消えてしまったら、一体どうしたらいいんだろうか。きっとおろおろして、一歩も動けなくなって、ぽろぽろ泣いて、自分も消えてしまいたくなるかもしれない。
ちいさな力の使い方
Greatful leverage power
「テコ」が好き。「テコ」というものが好き。「テコ」という言葉が好き。押しても引いても、ビクともしないような大岩をも動かし、大きな大きな「なにか」を作り出す、小さな力を大きく使う工夫。そこには、人間という弱い存在の必死さと、純粋さとを感じる。太古の昔から、人は大きな力を求め続けてきた。その努力の結晶が、今の科学技術の粋なんだろうと思う。人力。マンパワーというものを使わなくなって久しい。いつしかパワーの担い手は人力から家畜となり、
another sky
パラレルワールド(並行世界)は存在し、さらにそれは相互に影響し合っている。そう主張する論文が発表され、大きな注目を浴びている。
並行世界とは「if もしも」の世界のことだ。
あの日・あのとき・あの選択肢を選んでいたら、いなかったら…誰しも考える人生の可能性。選んだ選択肢によって自分の人生は少しずつ変わっていき、人生の方向性は決まっていく。
しかし今回の論文で、その「世界線」とも呼ばれる選ばなかった選択肢の先の世界は確かに在り、しかもこの世界と無関係
自然と生きる
Do the right thing
やるべきことを、やる。
そう決めたのが2011年3月11日の数日後。
自然はでかいから、どうしようもないことも山ほどあるのだと、あのとき学んだ。なんでこんなにひどいことをするんだ、と思う。涙が出る。だけど渦中にいない人間が泣いていてどうする。やれることがあるなら、やろう。自分のコンディションを保ちながら、ただ「やるべきこと」に集中しよう。
今回の熊本の大地震。ひとりひとりがやるべきことも違うし、やれることも違う。「何を成したいか」も
価値ある瞬間
Live a moment
日々積み重ねている日常の連続はどこからどこまでが価値のあるものなのだろうか。
作業や仕事、雑事に追われていくと、過ごす時間一瞬一瞬の価値が変わってくる。かけがえのない時間と思える一瞬よりも、早く過ぎ去って欲しい苦痛と思える一瞬の方が増えてくる。そんなとき、どうすれば自分の時間を愛することができるだろう。人生を過ごしている自分自身を嫌いにならずに済むだろう。
そんなことを吐露した人がいて、少しのあいだ黙って考え込んでしまった。
この地球上にい
the reason
一日が24 時間しかない決まりなら俺はその密度を限りなく濃くしたい。
これは、22 才くらいの頃、自分が書いた文章だった。
思えば、その頃の自分は一人暮らしを始め、テレビのない、朝6時からデスクに向かう生活を始めたばかりだった。まだまだ青臭いながらも、時間が有限で、若さこそが最大の武器で、その若さを何に変えられるかが勝負だと思っていた。
あれから、十年。
順調に積み上げをしてきたように見る人もいるけれど、順風満帆かと言われれば嘘になる綱渡りの毎
生きるべき人生
Life of truth
目に見えるものを捨てるのはたやすい。
ゴミ袋を買って、燃えるゴミか、燃えないゴミかを選ぶだけで済むからだ。面倒ならば、いまはそういうことを代行してくれる業者だっている。けれど、見えないものを捨てるのは本当に難しい。
それは実体も質量も持たないはずなのに、目に見えるもの以上に自分の人生のスピードを鈍くする。そして、見えないものを捨てることは自分自身にしかできないのだ。でも、だからこそ、捨てるべきは「見えないもの」なのだと思う。これまで続けてきた馴
幸せのベクトル
fun to the life
最近の若い者は…というセリフは、紀元前エジプトの時代から吐かれてきたそうだ。
新人類とか、ゆとり世代とか、さとり世代とか、わけのわからないものをカテゴライズして安心をするのはいつだって怖がりの自称ナイスミドルたち。特に日本は民族も宗教も文化もほぼ単一だから、異質なものへの同調圧力が強いのだと思う。もちろん学校や会社といった組織に所属することは少なからずその文化に自分を合わせることだけれど、それがそもそも「変だな」って多くの普通のひとが気付き始
人生で最も大切なこと
all need you is love
いい出逢いがないの、と彼女は言った。
「あたしって、なんて男運がないのかしら。前の男もあたしを束縛したし、今回の男は釣った魚にエサをやらないタイプだった。結局、男ってみんなこうなのよ。こういうことをされるから、どんどんだれも信じられなくなっていっちゃう。誰でもいいってわけじゃないから慎重に、年齢も仕事もルックスも大切に考えてるの。結婚にはぴったりでも、恋愛だと物足りないってことはあるじゃない? まだ結婚は考えてないの。そういうあた