パーソナルトレーナー藤井自伝119

運動不足はやっぱり太りやすい

前回話した体脂肪が溜まる原因のもう一つを解説していく。
運動不足である。
誰しもがそりゃ運動不足だったら太るでしょ、と言いたくなるかもしれないが、運動がないことによる消費の低下だけではなく、もっと違った要因でより太りやすくなってしまうのだ。
というのも運動をした時の消費カロリーというのはそれほど大きくない。
1時間位運動したからといっても、せいぜい300kcalくらいが関の山である。

では何が重要なのかというと2つ、運動をすることによる体脂肪の分解並びに燃焼効率のアップと、脂肪を溜め込みにくい体質になるということだ。
運動をすることによって若い時に大量に分泌されていた成長ホルモンが分泌されるようになる。
これには脂肪の分解をする酵素の活性化や疲労回復、つまり代謝の増加やストレスの緩和、そして肌のターンオーバーなど生きていく上で重要なメリットが溢れている。

だから消費カロリーと摂取カロリーの差分が同じだとしても運動のある無しで体脂肪の燃焼効率が変わってくるのだ。
そしてもう一つが体脂肪を溜め込みにくくなるという話だが、インスリンヒエラルキーというものがある。
これはインスリンが作用する優先順位のことであるが、インスリンは場合によっては肥満ホルモンと言われることがある。
というのもインスリンは増えすぎた血糖(エネルギー)を下げるために、栄養を体の各部位に運んで血糖値を下げる役割がある。
つまりは栄養の吸収を促すのである。

こういうと肥満ホルモンじゃん、と言われそうだがこのインスリンの働きが弱い人は栄養の吸収が良くなく、肉付きが悪かったり筋肉が成長しにくい弊害がある。
そしてこのインスリンヒエラルキーは通常、筋肉>肝臓>脂肪細胞、といった順位なのだが、運動不足で筋肉の優先順位が低いとまるっと逆になってしまう。
本来であればまずは筋肉にエネルギーが運ばれて消費できるのが、いきなり脂肪細胞に運ばれてしまうのである。
これでは太りやすいのも当然である。

だからこそ、適度な運動習慣を持つことは、運動の消費カロリー以上に太らないために重要なことなのである。
これが脂肪が付きやすい原因に運動不足があるということなのだ。

続く

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