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短編小説『E♭の夜想曲』

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筆者の処女作です。読み方は『イーフラットのノクターン』です。
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短編小説『E♭の夜想曲』Op.5

短編小説『E♭の夜想曲』Op.5

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9月3日

翌日。
今日はおっさんに報告に行くため、朝からいそいそと準備をしていた。

そろそろ出発しようと思っていたとき、私のスマホに着信が鳴った。

美江子さんだ。電話なんて珍しいな、何の用だろう。

「もしもし。美江子さんどうしました?」

私が問いかけると、美江子さんは一息置いて

「昨晩勇気が亡くなったの。家に安置しているから、最後に会ってやってほしい」

私は言

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短編小説『E♭の夜想曲』Op.4

短編小説『E♭の夜想曲』Op.4

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8月25日

日曜日。私は朝早くから支度をしていた。着替えをして身だしなみを整えると、楽器ケースを持って家を出た。

私は友達と3人で病院へ向かった。
今日は部活の友達と病院でプチ演奏会を開くのだ。

おっさんにどうにか演奏を聴いてもらいたい。そう考えた私はフルートの華澄、クラリネットの舞莉に頼んで、一緒に木管三重奏を披露することになった。

思いつきで始めたものだったので

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短編小説『E♭の夜想曲』Op.3

短編小説『E♭の夜想曲』Op.3

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8月10日

ついにこの日がやってきた。私は前日から緊張して上手く寝つけなかった。
何ヶ月もこの日のために練習してきたんだ。この10分間のために。

そうこうしていると、とうとう私たちの学校の番がやってきた。

エントリーナンバー12 ○○県立□□高等学校

私たちの10分間の戦いがスタートした。

無事に演奏を終えた。私たちはそれぞれ達成感や充足感を感じていた。中にはも

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短編小説『E♭の夜想曲』Op.2

短編小説『E♭の夜想曲』Op.2

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6月22日

最近は梅雨のため雨の日が多く、河川敷で練習することはほとんど無くなっていた。
今日も雨が降っていたので練習はできないが、私は部活帰りに河川敷へ向かった。
河川敷は家とは反対方向なのだが、どうしても様子が気になったのだ。

「...やっぱり居ないか」

連日この雨だ。やはりおっさんは居なかった。
こんなに濡れた草の上に座るのも嫌だよな。

ここ最近は授業中も部活中も

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短編小説『E♭の夜想曲』Op.1

短編小説『E♭の夜想曲』Op.1

5月14日

辺りは暗く、人影はどこにもない。
聴こえるのは虫の声と川の流れる音だけ。
自然の音色に混じって私、牧原奏はサックスを奏でていた。

この河川敷は、サックスの練習にちょうどいい。
近くに住宅がないから迷惑にならないし、近所の人に怒られることもない。

家で演奏すると親に怒られるから、公園や広場、色々と場所を変えたが、どこに行ってもうるさいと怒られた。
しかし、ここは人っ子一人いない。や

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