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GPSを携えて、娘、1人外出の練習をはじめる。

#20240408-380

2024年4月8日(月)
 春休みもおしまい。
 本日、小学校は始業式。
 ノコ(娘小5)も5年生になる。
 学校の予定表が出ていないので、年間の見通しがつかない。
 習い事は2つなのは変わらないが、そのうち1つの習い事のレッスン時間が増えた。そのため、週2日が週3日になってしまった。つまり、週4日習い事がある。
 どうなってしまうのだろう。

 習い事の日。
 私は家を出るまでに、食事や家事を先取りして済まさなければならない。

 帰宅したら即夕飯が食べられるよう、お風呂が入れるよう、留守中にむーくん(夫)が帰る場合はむーくんが困らないよう、なんだか座る間もなく動いている。
 習い事先へ預けた後の待機時間は自由なので、単に前倒しをしているだけなのだが、なんとも気忙しい。
 送迎には手帳をはじめ、筆記用具、本、noteの記事を書くためにpomeraポメラなどたくさんの荷物を抱えて出掛け、カフェに陣取る。
 家よりも集中して取り組めるため、時間を奪われているわけではないが、今後週4日これだと思うと気が重い。不規則な勤務形態のむーくんは、手が空けば積極的に送迎を引き受けてくれるが、勤務によるため基本私がするつもりで予定を組まねばならない。
 期待はしんどさにつながるからだ。

 習い事には、大半の子どもが1人で通っている。
 ノコより下の学年の子どもでも、だ。
 スマートフォンスマホやキッズ携帯を駆使し、親と連絡を取りながら電車に乗る姿はたくましい。親が送迎するのはほぼノコだけなので、私やむーくんは同じ方面に帰る子どもたちの付き添いのようになっている。ほかの親から頼まれたわけではない。
 日頃は子どもたちのたくましさに圧倒されるのだが、ごくたまにトラブルが起きる。
 そういうときは、私たち大人に「助けて」といってくる。目がうるみ、泣くのを堪えているのがわかる。
 きちんと周りの大人に助けを求めることができ、かつ解決すると「ありがとう」という
 毎回、私は感心してしまう。
 ノコにそれができるだろうか。

 ノコの希望はスマホだが、とりあえずGPSを持たせてみることにした。
 「みてねみまもりGPS」という商品にした。

 音声メッセージ送信機能を搭載しているタイプにしたかったが、どうやら手元に届くのが6月になるらしい。それまで位置情報のみのタイプでしのぐか、音声メッセージ送信機能タイプの発売を待つか悩んだが、むーくんがキャンペーン中の本体価格と月額利用料を考えても使う価値はあるというので、使ってみることにした。

 低学年の頃、学校を通して希望者に無料お試しGPSの提供があり、使ったことがある。
 1ヶ月ほどだったが、登下校は集団で、かつ放課後も1人で外に出していなかったため利用価値を感じなかった。
 学年があがり、今度は必要性があっての利用だ。
 自宅、学校、習い事先を登録したので、ノコの出入りがあれば連絡が入る。
 「お知らせボタン」を押せば、30分間は30秒間隔で子どもの位置情報を測定するので、よりこまかな情報を得られる。

 利用初日は、動作確認のためノコには伝えずランドセルにしのばせておいた。
 アプリの画面を見れば、地図上をノコが移動している。
 「おかえり!」
 インターホンを鳴らす前に玄関ドアを開けると、ノコが目をぱちくりさせた。
 ランドセルからGPSを出して、種を明かす。
 「もうっ! ママ、それ、恥ずかしいから!」
 ノコが身をよじって笑う。ノコの「恥ずかしい」はよくわからない。居場所がわかると、さらされているような気持ちになるのだろうか。

 夕方から習い事があった。
 4年も通っている習い事なので、バスや電車の乗り方もわかっていると思うが、常に私かむーくんが同行しているため周りに注意を払っていない可能性は高い。
 むーくんはGPSを持たせたのだから1人で行かせるよういうが、私は何事もまずは「練習」だと思っている。
 「今日、ママは後ろからついていくから、自分で行ってみて」
 バス停でそういうと、ノコはキュッと唇をすぼめた。
 「じゃあ、ここからママは知らない人ね」
 いきなりごっこ遊びがはじまった。
 バスが近付いてくると、ノコは振り返り、私を見上げた。
 「あのぉ、あのバスって〇〇駅に行きますか?」
 思わず笑ってしまう。
 「ええ、行きますよ」
 「ありがとうございます」
 ノコは他人行儀に頭を下げ、停車したバスにICカードをタッチして乗り込む。
 さて、ノコは頼れる水先案内人になれるだろうか。

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