マガジンのカバー画像

エッセイ

165
エレベーター・やさしい人(中島みゆきの歌によせて)・分身の術など あれこれ
運営しているクリエイター

2022年5月の記事一覧

死んでしまいたいという人にかける言葉

死んでしまいたいという人にかける言葉

 Sさんは、私がケアマネになって最初に担当した思い出深い利用者だ。脳梗塞で入院、リハビリを受けていた病院での退院カンファランスで初めて会った。少し気難しい顔のおしゃれなおばあ様で、左側から支えられ、右手で手すりにつかまってやっと歩ける程度。81歳、同じ年のご主人とアパートで暮らしていた。

 さっそく、週2回の通所リハビリと週3回の訪問介護(ヘルパーさんに家事援助、身体介護をお願いする)サービスを

もっとみる
別れと出会い

別れと出会い

 近くのスーパーに業者が来て、金や銀製品、時計、ブランドバッグなどを買い取る、というチラシをみつけた。2万円以上の取引があったら、商品券を進呈する、とある。我が家はいま、天袋や棚の中を整理中でいくつか見つけ出したお宝?もあり、ショッピングカートに括り付けて、出かけてみた。

 エスカレーター上り口、と書かれていたので行ってみると、小さなカウンターがあり、椅子が二つ、カウンターの上にはヴィトンのバッ

もっとみる
グリーンサム

グリーンサム

 去年、友達にうちのパキラの鉢植えの写真をラインしたら、
「グリーンサムね~!」という返事がきました。え?グリーンサムって?とググってみたら、植物を育てるのが上手なこと、とあり、改めて嬉しくなったものでした。英語でいうと、greenthum 緑の親指 でしょうか。
 でも、私はそんなに上手というわけではありません。枯らしてしまったことも何度もあります。痛恨の失敗は、20年も育て、大木になっていたゴ

もっとみる
聖子ちゃんは好きですか?

聖子ちゃんは好きですか?

朝日新聞に松田聖子さんの特集が掲載されていました。
1980年にアイドルとしてデビュー、今もアーテイストとして活躍中の聖子さん、でも、私には、デビュー当時の、頬からふわふわと巻き上がったような髪、ちょっと切なげな歌う表情、花のイヤリング、ふくらんだスカート姿が印象深いですね。アンケートの結果、読者のランキングは以下のとおりだそうです。

タイトルを聞いただけで、あの歌声が浮かんできます。
伸びやか

もっとみる
ジミー

ジミー

 青海エイミーさんはわたしがnoteを始めたばかりのころ、3番目にフォローしてくれた大事なnote友の一人である。なんと、単身マレーシアに渡り、数々の苦難を超えて、クンダリーニヨガを極め、今は教えている、というバイタリティあふれる方だ。最近ご自身の動画もアップされているので、よけいに親しくなった感があるが、その親しみ溢れる笑顔、自分の想いを一心に伝えようとする眼差しは、思ったとおり、いや思った以上

もっとみる
思い出をチン!

思い出をチン!

三軒茶屋の近くにある小さなレストランの2階を借り切って、詩の会の仲間の一人が作品展を開きました。数年前の春のことです。白い壁のモダンな部屋で、詩の書かれたパネルがソフトな照明に浮かび上がっていました。

一緒に行った5人の仲間の心をとらえた詩の一つは

思い出を
ラップに包んで
チン!したら
あのころが
おいしく戻るだろうか

まずその発想に心が脈打ちます。チンの得意な私であっても、「あの頃」を、

もっとみる
バカの壁

バカの壁

数年前読んで、興味深かった本「バカの壁」を読み返してみた。養老孟司さんの話を文章化したものだが、やはり難しい。

「バカの壁」とは、考えようとも、知ろうともせず、限られた知識と思い込みだけで自分の壁を作り、その内側だけを正しい世界だと信じていることを指す。人は自分の知りたくないことについては、自主的に情報を遮断してしまっていまわりに壁を作っているのだ。

個性と情報について著者はユニークと思える説

もっとみる
人前で話すのが苦手ですか?

人前で話すのが苦手ですか?

朝日新聞の記事によると、2318人の回答者のうち、64%が「はい」と答えたそうだ。理由は
1.緊張する
2.話をまとめられない
3.面白い話ができない
4.注目を浴びるのが嫌い
5.聞く人の視線が気になる

「いいえ」の人の理由は
1.場数を踏んで慣れた
2.事前に準備して話す
3.話す内容に自信がある
4.話が滑っても気にしない
5.当意即妙なアドリブが得意

5.となると、スゴイ!プロみたい、

もっとみる