【スモールビジネス】必要なのは、100人の新規客より1人100回の予約
こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
スモールビジネスでの集客はとても大きな課題です。例えば、リアル店舗を開店するとなったら、まずは店の存在を知っていただき、新規顧客をどれだけ集められるかに注力するでしょう。
それは決して間違っていないのですが、中長期的な視点で、持続的かつ安定的な経営に必要なのは、100人の新規顧客より1人100回の予約――。
そう断言するのは、自身で複数のジム経営をしながら、スモールビジネス専門集客コンサルタントとしても人気を博している日野原大輔さんです。
その理論と理由について、日野原さんが新刊『神・リピート集客術』で詳しく解説しています。そこで今回は、同書の中から該当箇所を全文公開します。
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「リピーターによるストック型経営」実現に向けた基本的な考え方
スポーツジムやスイミングクラブの多くが、会員が「幽霊会員」になることを前提にビジネスモデルがつくられていることは有名です。もしもすべての会員がやる気を出して常に通っていたら、ジムの内部はたちまちパンパンになって運営どころではありません。
この背景には「フィットネス業界では会員が定着しない」という問題があります。日本のフィットネス人口は3〜4%であり、20%を超えるアメリカとは大きな差があります。つまり、ただでさえ「少ないパイ」を奪い合っているのです。
大手は広告を打って新規入会者を増やすことができますが、そのうち8割の人が幽霊会員となり、まもなく退会していきます。
だからこそ、私は
「100人の新規顧客より1人100回の予約」
をモットーにしています。ジム通いをすることで、お客さまに「人生が豊かになった」と感じていただきたいからです。
そして、今、「1人100回の予約」をしていただけるお客さまを300人抱えています。おかげさまで、ブランドのバリエーションを増やし、2店舗目、3店舗目を順調に出店することができました。
このような厳しい業界でも、「ボンディング接客術」で「リピーターによるストック型経営」を成功させることができたのです。
「新規客より既存客を大事にする」という発想
あなたが今、どんなビジネスを行なっていても、既存客を大切にすることで、その愛情と思いは間違いなく伝わるはずです。
「いかに〝帰ってきたくなる場所〞であり続けるか?」
「1人100回予約」のためには、あらゆるビジネスがこの「問い」の答えを考え続けなければなりません。
あなたのご近所を思い出してください。昔よく行っていたお店がなくなっていることがあります。でも、自分が生まれた頃からあって、いまだに続いているお店もあります。何十年も存続しているのは、ファンがいるお店だからです。「マニュアル化された接客」ではファンを獲得するのは難しくなります。それは、決まり文句をただ繰り返すロボットと同じで、心が通っていないからです。
「本音で接客する」とはどういうことか?
私は、私を応援してくれるお客さまを大事にしたいため、常に本音で接客しようと思っています。
本音で接してくれるお店ってすばらしいと思いませんか?
たとえば、こんなお店です。
◎商品やサービスのデメリットを正直に伝えてくれる。
◎ 買おうとしているものが、お客さまのレベルや雰囲気に合っていないことを遠慮せずに言ってくれる。
◎自信のある「おすすめ商品」を「買わないと損」と断言する。
生き残っている店はたいていそうです。
その店のスタッフに主体性があります。目の前のお客さまを幸せにするために、イキイキと仕事をしています。お客さまはそんな姿をみると、そのお店のファンになり、リピートしたくなります。
日本語の「ただいま」は「たらい間」が語源だそうです。
たらい間とは、帰宅したときにたらいで足を洗いながら、家の人たちとその日の出来事を話す時間のことを意味していたそうです。
まさに、家族の合言葉だったわけです。
あなたもぜひ、お客さまに「ただいま」と言われる接客を心がけてください。そうすることで、あなたのサービスは「誰かの故郷」になり、5年、10年、20年と続けることができるのです。
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いかがでしたか?
「新規客の獲得」コストは、「リピート客の確保」コストの5倍かかるといわれています。スモールビジネスの経営を安定させるのに必要なのは、100人の新規顧客より1人100回の予約――。
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