大麻成分が入った食品??学校では教えてくれないCBD食品について
こんにちは!食品企業に勤めているらびです。
近年CBD(カンナビジオール)食品なるものが流行しているのをご存知でしょうか?
Forbesの調査によれば、世界のCBD市場は2015年の2億ドル (約215億円)規模から、2020年には21億ドル (2,258億円)へと成長すると予測されており、西欧州諸国や米国では非常に注目されているジャンルとなっております (出典)
今回の記事では、CBD食品とは何なのか??という事を解き明かしてみたいと思いますので、ぜひご覧ください:)
本記事に出てくる専門用語
● CBD (カンナビジオール):
麻に含まれる成分の1つ。多くの試験から良好な安全性、忍容性が確認されており、精神活性作用(多幸感など)はないとされる(wikipedia)日本では種子や茎から抽出されたもののみ、合法とされている。
● THC (テトラヒドロカンナビジオール):
麻に含まれる成分の1つ。多幸感など向精神作用があり、日本国内では麻薬に指定され厳しく規制されている(wikipedia)
● ヘンプ (麻):大麻の通称。日本では種子と茎のみ合法的に利用可能で、ヘンプシード (種)は食品としてカルディ、富沢商店などで一般的に購入する事が可能。
1. CBD食品とは?
現在欧州、北米で強烈に盛り上がっている食品ジャンルがあります。それがCBD食品。CBDとは上記用語で解説した通り、大麻の主成分の1つです・・・。
CBD食品に関して説明する前に、まず大麻について簡単に解説したいと思います。
大麻にはカンナビノイドと呼ばれる有用成分が含まれております。カンナビノイドはたくさんの種類があるのですが、ざっくりと2つの主成分に分けることができ、1つが精神活性作用があるTHC(テトラヒドロカンナビノール)、もう1つが精神活性作用が無いとされる、CBD(カンナビジオール)です。
引用:Life with CBD ホームページより
この非精神活性成分を利用して食品が作れないか?という事で開発されたのが「CBD食品」です。
CBD食品は麻から抽出/精製されたCBDオイル・エキスなどを添加した加工食品の俗称で、現在世界ではコーヒー、紅茶、エナジードリンク、クッキー、チョコレートなどが販売されています。
また、食品の他にもコスメ、サプリメントなども欧米では普通に販売されております。
YouGovの調査では、英国では約600万人の成人がCBD食品の食経験があり、そのうち130万人のユーザーは常用的に消費、その消費額を合計すると3億ポンド(約420〜450億円)に達するとのことです(出典)
CBDそのものは現在医療用途にて多くの国で使用されており、研究実績も豊富です。例えば、抗不安、抗てんかん、抗炎症など様々な効果が医学的に認められているようです(参考:日本臨床カンナビノイド学会)
私自身、CBDの効果は「大麻成分」という悪い先入観もあり懐疑的に見ていたのですが、医療用を使用する場合は様々な薬理効果が見込める、有用な物質であることは間違いなさそうです。
2. 米国市場の現状
さて、ここで1つの疑問。
「いくらCBDが有用だからといって、食品原料として使用するのは違法じゃないの?」
この疑問に答えるために、米国の現状を説明します。
FDA (米国食品医薬局)は2014年以降、CBD食品、サプリメント、コスメを販売する複数企業に対し44通の警告書を通知しています。警告書が出された理由のほとんどが「病気の治療効果を謳ったため」です。
このFDAの警告書が引き金になってか、米国ではCBD関連の集団訴訟も起きております。
ここで注目するのは「FDAは不適切な治療効果を謳うCBD製品に対して警告書を出している」という点です。
つまり、不適切表記の無いCBD含有食品や香粧品類に関しては現状OKという事(※FDA(連邦当局)の見解)
FDAが発行した警告書の調査・分析を行なっているAmerican Herbal Products Association (AHPA)のMcGuffin氏によれば、FDAが議論しているのはCBDアイソレート(濃縮CBD)高含有食品・サプリメントに対する規制をどうするかであり、フルスペクトラムエキス(非濃縮品)やヘンプエキス(麻からの抽出液)などの製品の規制は現状考えていない、とのこと。
また、米国の弁護士事務所Rivkin RadlerのMarc Ullman氏いわく、FDAはCBD含有量(食品に対する添加量)の規定に関して議論しており、CBD含有量の多い食品・サプリメントの摂取は推奨しない事を繰り返し述べている。
まとめ
CBD食品とは
・CBD(カンナビジオール)エキスやオイルを含有している加工食品の俗称(コーヒー、紅茶、エナジードリンク、菓子など)
・CBD自体は副作用も少なく抗ストレス、抗炎症作用などの薬理効果があることが認められているが、食品に添加した際の科学的効果は現在検証中である
FDAのCBD食品に対する見解として
・CBD食品自体は現状認められているが、その含有量に関する規制はしなくてはならない、と考えている
・CBD食品のラベルに「薬理効果」を謳う企業に対しては厳しく対応していく
・CBD濃縮オイルは警戒しているが、フルスペクトラム(非濃縮)エキスやヘンプオイル(麻からの抽出液)の規制自体は現状考えていない
となります。
日本では種子や茎から抽出されたCBDオイル・ヘンプエキスの使用は、一応は合法となっており、インターネットでも購入できます。現状は食品原料というよりも、嗜好品的な扱いですね。個人的にはCBD食品を過度に恐れる必要は無いかな、と思います。
※追記 (2020.7.4):厚生労働省にCBDに関するページができたようです。CBD製品を輸入する際の注意点などが記載あります。
以上、CBD食品に関する記事でした!
抵抗が無い方は、ぜひ米国や欧州に行った際にCBD食品食べてみてください(製品規格によってはお土産として日本へ持ち帰る事は合法ですが、現状ハイリスクですので個人輸入の際はご注意ください!!笑)
参考サイト
・FDAがCMD企業15社に警告 (Hemp TODAY JAPAN)
・Food navigator.com
追記:私より数倍詳しく、とても丁寧な記事ですので、より正確な情報が知りたい方やCBDに興味が湧いた方はぜひ↓↓
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