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自粛解除と夏野菜

2020年の五月がもう終わりに近づいてる。

今年初の台風一号は例年より遅く、新型コロナウイルスの感染拡大から始まったこの一年もはやくも半分にさしかかろうとしている。

日中の日差しも暖かくなり、畑にはもう少しで収穫に入りそうな夏野菜達が太陽の光を存分に浴びて、外出自粛の流れとは逆行してすくすくと育ってきている。

明日から始まる特別警戒地域を除いた34都道府県の緊急事態宣言の解除

もしかしたら21日に東京、大阪でも宣言解除ができるかもしれない現状。

新型コロナウイルスは私の所属する飲食業に大きな爪痕を残した。

きっと観光業も並行するともっと大きな被害を残したに違いない。

私は会社に勤める料理人とECサイトで商品を販売している料理人の二つの顔があり、幸いなことに今回の新型コロナウイルスではそんなに被害はなかった。

それよりも娘と過ごす時間が増え家族との絆や大切さが身に染みてわかったし、今回の大きな収穫はそこにあると思っている。

ただ私の周りをはじめ多くの料理人や飲食関係者の方々は売り上げの激減や今後の不透明感など不安に思う方も少なくはないと思う。

しかし私をはじめ多くの料理人は今、休業もしくは営業時間の短縮という働き方の中で、どんどんと美味しさの旬を迎えてきている夏野菜をどう調理するか

コロナ明けの店舗でどう華やかに美しく旬の食材を調理してお客様を喜ばせるかを考えている人は多いと思う。

不幸中の幸いといっていいのかわからないけれど、今回の新型コロナウイルスの自粛中は料理人には時間だけはあったと思う。

営業にてその真価を発揮できない料理人にとっての旬の食材を扱えないストレス。

一般消費者の外出自粛のコロナ疲れによるストレス。

国による緊急事態宣言が一時とは言え解除されたら、双方引きあうような欲求のベクトルが、国からの特別給付金というボーナスを使ってぶつかり、飲食業からこの国を盛り上げていってくれるのではないかと私は思っている。

自粛疲れで外で美味しいものを食べたいというお客さんに、旬の食材を最高のアイディアと技術で提供できる料理人がパズルのように当てはまると、街は活気にあふれ人々の笑顔も戻ってくるのではないだろうか。

表紙絵のように「家族ファースト」という言葉が今回のコロナウイルスの副産物としてうまれ、多くの人が家族の大切さ 子供という時間の短さと尊さを実感し、

今後も生活や人生の中心は何なのか、誰のために働くのかを本質的に考えなおし、そこにみずみずしい新鮮な旬の食材を使った料理人の一皿を家族で囲みあえる環境が実現すると

これからの「家族」という言葉の形は料理人の存在を通して欧米のような家族第一主義の世の中へと影響し社会を作り替えていくのだと思っている。

自粛を通して今、料理人はやりたいこと作りたいもののあふれている

今の料理人ほどアクセル全開で走り出す職業も少ないだろうし、これから先料理人の作り上げる新しい社会の形は本当に面白いものになると思う。

きっとテイクアウトや宅配の波をも乗りこなし、料理人は料理そのものを超越して「料理」という文化を使い人々の生活をアフターコロナの中新しいものへと創生していける期待すら私はある。

確かにコロナウイルスは多くの方を苦しめ命を奪ってきたが、その反面私たちに何が大切なのか、これからはリスクと主にどう行動するべきなのかという考えを残していってくれた。


このことをポジティブにとらえ私たち料理人はこれからの来る夏本番に心してかかりたい。

旬を迎える夏野菜は、旬を取り戻さんとする日本を待っている。

野菜を調理できる料理人は、日本だって作り替えれる。


2020/5/14










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料理人のキムラ
働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。

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