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闇雲に自社製品をネット販売できない理由

飲食店の厨房でオリジナル商品の生産が可能なら、いくらでも新商品が作れるじゃないか。

うちでネット販売している食品は『やみつきスペシャル(仮名)』だけ。

そもそも、うちのショップカテゴリは大きく分けて
『マスク』
『やみつきスペシャル(仮名)』
『飲食店向けの調理器具』
の3種だけだった。

社長が『やみつきスペシャル(仮名)』に力を入れたいと言っている割には、食品はこれしか販売していない。

ならば、うちの飲食店の味を次々と商品化すれば、品揃えも充実して客層に合ったニーズで商品を選んでもらえるのではないか。

数ある中から気になる食品を選んでもらう。
まずはお試しサイズから。
当店おすすめをセットに販売してもいい。
気に入れば次もリピートしてくれる。
うまくいけば、ギフト用にも販売できる。

まずはアクセス数を上げるべく、入口商品の充実を図りたかった私は、新商品の提案を社長に相談した。

「いや、それは無理。難しい」

社長の一言で、あっさりと新商品の提案は流れた。


商品の製造はコストがかかる

そもそも、多種多様な商品を作る『人材』も『時間』もない。
その他、パッケージ代、配送料、梱包材料など、かかってくる『コスト』が諸々あるのだと言われた。

「スーパーでも買えるような食品、わざわざネットで買わないだろう。冷凍品は配送料が高くなるし、梱包だって専用の物が必要になる。思っている以上に面倒だ」

(結局、ECサイトにお金をかけたくないだけか)

社長から出てくる『それっぽい言い訳』を聞いて、そう感じた。


既製品は利益が出ない

既製品の提案もした。
オリジナル商品だけでは、どうしてもショップの品揃えとして弱い。より充実した品揃えが必要だと思っていた。既製品なら仕入れて発送するだけ。商品登録だけなら私でもできる。

しかし、これも社長は難色を示した。

「どうせ売れないだろ。既製品は他社と価格競争になるから儲けがない」

(その通りなんだけどね?利益なんて僅かだけどね?)

すでに商品登録してある既製品は、時々受注があった。だが、卸売業者を通してでも利益は数百円程度。売れるのは月に1件あるか無いか。
ショップの品揃えとして、並べているだけの『お飾り商品』だった。

既製品だと利益が少ないのは解っていた。
じゃあどうすれば良いのか。
また行き詰った。

結局、経営者の気分とさじ加減

社長はマスクでぼろ儲けしてしまった為に、ネットショップでお金をかける事に抵抗があるようだった。

ただ同然で商品を仕入れて利益を生みたい。

欲が出た人間の末路かもしれない。


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