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苦しみながら うたう歌 (短歌)



主はやさし、やさしい夜に手をとりて
もっと低くへいざなひたまふ



あを波のさざ立つ海はキリストの
あらはになれるみ胸の如く




 時として、キリストの示される道は低く低くへと続いている。その道を進むには、わたしは打たれ、砕かれ、身を低く低くしなくてはいけない。まだ足りないのか、と思うこともある。

 わたしがもうぐったりと、われを手放して、じぶんで立っていることも出来ずに、み胸にしなだれかかるに至るまで。

 砕かれことは、甘い。卑しめられることは、いとおしい。キリストの国は、逆理で満ちているのだ。

 低く低くへといざなわれることは、目に見えない世界では、高く高くへ登っていくことなのだ。砕かれる道は、なによりとうとい道なのだ。



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