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何も無い日常にひとつのスパイスを

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ただの日記と言ってしまえばそれまでのもの。何も無い日常にだって何かしらあるのでは?そんな視点で見つめてみたら些細な変化を楽しんでいける。日常を楽しむための、ただそれだけのためのも…
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沈黙がただ流れる金属の籠から

このタイトルを見て、私が今どこにいるのかわかる人はいるだろうか。普通にわかりやすいヒントを出せば、それは、私の体は止まっているのに時速100kmに近い速度で進んでいく。
もうお分かりだろう。夜間高速バスの中である。実を言うと私は今非常に金欠状態に陥っていて、もはや口座の収支はマイナスに突入しているほどである。となれば、東京から京都へ帰る(あるいは行く)のに、新幹線などというブルジョワジー的乗り物

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何をするでもなく徹夜をする

いつの間にやらもう時刻は午前四時になろうとしている。恐らくこれを書き終わる頃には4時をすぎているだろう。こんなくだらない日記を書いている暇があるならさっさと寝ろという話なのだけれど、私にはそれが出来ない。なんというか、寝る気が起きないのだ。そんな日が何日も続いている。一度寝床に入ってから、もう一度出てしまうともう寝床に戻る気にはなれない。なんとなくわかるだろう?いや、頼むから分かると言ってくれ。で

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現実はアニメ程には美しくない

旅の始まり方は最悪だった。分かりやすく言えば、『四月は君の嘘』の公生とかをりの出会いのような、いや、そんなに美しいものではなかった。もっとおぞましい何か。すぐにわかるさ。

寝ようとしたがどうにも寝付けない。堪らず起き出して姉と母親が見ていた下らないテレビ番組を見てみる。たまには見てもいいかなという程度のクオリティの番組だ。名誉毀損などと言われては叶わないから具体的な番組名は出さないでおこう。兎

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終着、そして……

僕は浜松にいた。京都から新快速で米原へ、そこから普通で大垣に。そしてそこから新快速で豊橋へ、そして普通で浜松着。そんな感じだ。

僕は浜松にいた。駅構内にあるピアノを見たかった。僕は駅を出て駅ビルの7階にあるオムライス屋さんに入った。

なんとも美味だった。しかし幾分量が多かった。しばらくは動けなかった。

家康くんがいたので撮ってみた。残念ながら時間の都合で浜松城には行けなかった。

気がつ

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遥かなる旅路

8/8

なんでもない、普通の日だ。僕は朝5時には家を出て、今はもう名古屋辺りまで進んでいる……はずだった。

朝、目が覚めると……目が覚めると?僕は焦燥に駆られた。おかしい。僕は昨日徹夜しようとしたはずだ。現に午前2時前後までは起きていた。サイゼリアで遅すぎる晩御飯を食べていたはずだ。そのはずだ。しかし、なんだ、この状況は。時計を見るともう時刻は8時になっていた。いわゆる、やらかした、という

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夏休みとの狭間の揺らぎ

テストが終わった。大学に入って初めてのテストだった。結果がどう出るかなんてものはもう知らない。単位を落としていそうなものがいくつかある。特にどれがと言われれば間違いなく私はドイツ語だと即答するだろう。第二外国語として選択したドイツ語。理由は簡単だった。ドイツが好きだから。そして、もしかすると将来、ドイツの研究をするかもしれないから。加えて言うなら、ソ連の研究をしたいから、その兼ね合いで、だ。無論本

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何も無い日常にひとつのスパイスを

僕はこの春大学生になった。
この春、どの春だ。今年の春。

幸いにして、未だに何もない大学生活を送っている。いくつかの単位がこの手をすり抜けて落ちていきかけていることを除いては至って平穏な、何の変哲もないつまらない大学生活である。

ここの所は令和ちゃんがまだ右も左も分からないのだろう、毎日のように酷い夕立があったかと思えば一ヶ月前にはテレビで気象予報士が「今年の夏はそこまで暑くならないです」なん

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