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駄洒落小説 『復習Tシャツ』 #毎週ショートショートnote【予習はバッチリ編】

「明日はこれ着ていくから洗濯しないでね」
「え、いいの?」

娘の言葉に戸惑いながら聞き返す。
だってそのTシャツ…

「いいの!」

そう言うと娘は明日着る服を準備し始めた。


翌朝、娘の服を見た夫が

「おい、その服…」

と珍しく声をかける。しかし反抗期真っ只中の娘がキッと睨み返すと夫は慌ててコーヒーに口をつけ、その熱さにびっくりして危うくYシャツに溢しかける。もう!洗濯物増やさないでよね!


「いってきます!」

娘はいつもと変わらぬ様子でランドセルを背負い家を飛び出した。本当にいいのかしら?


「おはよう!準備バッチリだね」
「そりゃそうだよ、図工の時間が待ちきれないくらい」
「今日は絶対にアイツらの後ろの席に座ろうね」
「うん!」


娘の部屋を掃除していて見つけた交換日記。普段なら見ないけれど今日ばかりは気になってつい手に取る。


明日は復習Tシャツを着てくること!

…なるほど。



「お気に入りの服に墨汁を飛ばした罪は重いよ」
「やられたらやり返さないとね」



 自分のつけた覚えのない墨汁をつけられたあの頃の私からあなたへ。


大人向けのこちらもよかったらどうぞ~🙋



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