『デンジャー縞ほっけ部』 #毎週ショートショートnote【目線を感じよ編】
「横縞なんだね」
「君は縦縞かい」
「まあ見る者によっちゃ縦や横を間違える者もいるけどな」
と俺らの会話を聞いていた模様のないヤツが嫌味を告げるが早いか
「ウッ!」
まるでその口を封じるかのように、キラリと光るものが突き刺さる。ざまあみろ!
「釣れたぞ!刺身にしよう!」
「やめとけ。干物にできるならいいが、刺身は危険だ」
「そうなのか…じゃ、リリースだな」
「アレ?帰ってきたぞ」
「ふ、どうやらヤツらは刺身になるものを求めているようだ」
それを聞いて怯えるのは、横縞のクロダイの俺と縦縞のイトヨリダイだ。
「縦と横の区別もわからねえ者どもに食べられてなるものか!」
「そうだ、そう…」
俺に応戦してくれていたイトヨリダイの前で揺れる恐ろしき銀のフック。危ない!と思う間もなく引っかかった仲間の涙が海にじわりと溶け込む。
何も悪くないのに、釣り上げてすぐに生きたまま何の躊躇いもなく刃物を突き刺す人間どもへの怒りすらも海の中ではちっぽけなのだろうか…
お題が上手く盛り込めなかったものの……魚の縞模様は人間から見るのではなく、魚の目線で見てほしいということが伝われば何よりです🙏釣りは小さい頃に父にちょっと試させてもらった程度なので、ツッコミどころがあったらごめんなさい🙏💦
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