『ほんの一部スイカ~3口目~』 #毎週ショートショートnote
※先にこちらを読むとわかりやすいですよ~
↓
「あースイカだけで腹パン!もう夕飯いらないやー」
半玉分さっさと平らげた穂果は腹をさすりながらベッドに倒れ込む。
「は?夕飯これだけ?」
「だってお金ないんだもん」
「仕送りは?」
「画材で全部消えた。これだから貧乏美大生は困るね」
薄汚れた天井を仰ぎながら弱々しく答えるところをみると相当キツいんだろう。
そういう俺もそれほど余裕があるわけでもなく扇風機を使うのも惜しくて、こうやってスーパーで無料でもらえる氷で涼を取っているのだが…
夏の暑さには勝てなくて、額から滑り落ちた汗がぽたりと畳に染みを作る。
同じぐらい汗だくで、今にも干からびそうなコイツを放っておくことなんてできなくて。
「そうめんしかないけど、ここで食ってけば?」
ついでに泊まってけ、と言えるほど俺達はまだ親密ではないけれど
「まじ?じゃ私は、ほんの一部スイカの皮で漬物作るね!」
と言われると貧乏同棲生活を疑似体験するのもアリかな、なんて
暑すぎて頭おかしなったんかな俺…
(おしまい)
ということで3口ごとに分けて書き直した過去作品、完結です。もはやショートショートなのか、無駄に引っ張っただけなのか…
甘さが足りないと感じた方は、こちらの塩をかけて下さい。
塩を足したらスイカ風味が減ったって?
んもう! じゃ、こちらのお話もどうぞ!
なんやかんやと最後まで味わって下さり、どうもありがとうございました🙇💕
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