筋トレとスイムトレのバランス③(最終回)
今回は「筋肉痛・疲労との付き合い方」について。
結論「パフォーマンスが上がっているうちは続ける」
筋トレ後に筋肉痛になったことがあるという方は多いと思います。さらに筋肉痛がある状態でスイムトレーニングやレースに臨んだことがある方も多いと思います。結果はどうでしたか?特にスプリントでは良い結果は得られまにくいですよね?ただし、スイムトレーニングのなかでもエアロビックレベルの比較的強度の低いメニューならいつもと変わりなくこなせたというケースもあると思います。
逆に筋肉痛が発生しない程度の強度であれば、スプリントの調子が良かったケースもあるでしょう。重要なのは「筋トレの良し悪し」ではなく「目的とするパフォーマンスに対して、筋トレの疲労を正しく管理できているか」です。
では具体的にどのようにして筋トレを進めていけばよいか。おすすめはスイムで評価する方法です。ボーダーラインとして次の2つをご提案します。
①ウォーミングアップで評価する
毎回同じ内容がおすすめです。例えば私は50m4本1分サイクルのディセンディングをアップの最後に実施して、4本目はテンポ0:70で30秒を目標としています(200m自由形のレースペース)。その際の心拍数・疲労感・タイムをモニターします。
A「疲れがなく想定より速いタイムであれば調子が良い◎」
B「心拍数が上がっていないが疲労感があるのであまり調子が良くない◯△」
C「心拍数が上がり疲労感もあり想定よりタイムが遅いのでかなり調子が悪い✕」
このような3段階で評価。Bであればアップの量を増やして様子見。Cならばトレーニングしない。Cの場合はおそらく安静時心拍数も上がってしまっていて疲労が蓄積している状態だと考えられます。
②メイントレーニングで評価する
メイントレーニングをしているというこは、前述のAかBをクリアしている状態です。メイントレーニングのタイムだけでなく、ハイポやテンポやストローク数をモニターして調子を判断。良い結果が出ていれば筋トレを含めたいまのトレーニングサイクルが順調だと判断します。
「筋トレの強度をどれぐらい上げたらスイムに悪影響が出るか」については、一度やってみないとわからないというのが正直なところですが、筋トレ経験がない方ほど筋肉痛は起こりやすいです。レースまでの期間や練習頻度に対して余裕を持って取り組む必要があります。失敗することを想定し、どれぐらいの失敗なら許容しておく(有資格の指導者に依頼するのも一つの方法)。ピンポイントで一番良いとこを狙って時間がかかるのは機会損失なので、まずはやってみることが重要です。英語の学習と同じでまずは話すことから。
まとめ
現状の筋トレの強度や頻度がスイムに悪影響を及ぼしていないかどうかの目安を持つ(スイム中のハイポ・テンポ・ストローク数・タイム・主観的疲労度をモニター)。
悪影響が出ている場合は強度や頻度を落とす。スイムまでの十分な休養を入れたり、スイムトレーニングのみに集中するのもあり。
良いパフォーマンスが続いているうちは現状のサイクルを継続する。ただし蓄積疲労を考慮して1ヶ月に1度は低強度の週を入れる。
レース前は特に慎重に。頻度や量を段階的に減らしていく。フィトネス(体力)が少し落ちても疲労が抜けていることのほうがトータルでプラスの場合が多い。疲労が抜けにくい原因は強度の高さよりも量のやり過ぎ。筋肉量が多い人ほど言える傾向です。
次回は「首と足首の姿勢反射」をご紹介したいと思います。これを利用すればいつものドリルの精度が上がること間違いなし!?今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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