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レッスンレポート活用法


何を記しているか

レポートには、日時・場所・実施内容・指導者の気付き・今後の流れなどを記しています。特に実施内容の量が多くなり、メニューだけでなくハイポ・テンポ・ストローク数・ラップなどを細かく記録しています。育成・選手コースやマスターズスイマーさんに対して、私は入水して泳いで見せたり、直接手とり足取りの指導をほとんどしませんが、それをしてしまうとどうしても記録できる内容が限られます。できるだけ数値を残していくことでその後の比較・検証がしやすくなります。

調子がおちてきたら

いつも好調を維持できる人はいませんし、トレーニングとは少なからず一時的な疲労を伴いパフォーマンスを落とす行為です。しかし、レース前になれば必要に応じてピークを合わせるためのテーパリングを行い、調子を上げていかなくてはなりません。トレーニングの量や強度を調節してもうまく泳ぎがハマらないこともあります。そんな時はレポートを読み返してみてください。ベストタイムが出ていたときに、どのようなウォーミングアップやドリルを実施していたかは、復調のための大きなヒントになります。不調の際はいろんなことが気になって、何かとプラスしがちですが、それが結果的にコントロールできないものの割合を増やしてしまい、負の連鎖となります。復調のためには無駄を省き、より基本に忠実でシンプルな内容を再確認したほうが良い傾向があります。蹴伸び5m測定は「原点にして頂点」です。

具体例・サンプル

12.5mのスプリントチェックは多くの人に実施してもらっています。今回は、50m自由形のベストが42秒の選手が、40秒切りを目標にしているケースをサンプルとしてご紹介します。


クロール スプリントチェック12.5m

・キックはベスト10.5に対して、結果10.0で大幅に更新。テンポは0:55→0:50と速くなり、テンポ・スピードともに向上していました。蹴り幅を小さくして足の高さの調節も安定してきました。
・プルはベスト9.0に対して、結果9.0で好調を維持。テンポは0:50で変わりないですが、ストローク数が15→14に減っており、スタートから泳ぎ出しがスムーズになっている印象です。これによりレース後半の失速も防ぎやすくなります。
・スイムはベスト8.4に対して、結果8.2で更新。50m自由形41.0秒相当の好タイムです。テンポは0:55とキック・プルよりも少し遅いです。キックとプルのタイミングやフォームに気をつけながら、さらにもう少しテンポを上げることができれば8.1ぐらいまで出せる可能性がありそうです。水中ドルフィンキックは4回よりも2回のほうがトータルタイムが速く、現状ではレースでも早めに浮き上がったほうが良いかもしれません。


このような感じで、測定・考察・次へのアプローチを記しています。この3つの精度を短時間で上げることがパーソナルレッスンの価値だと思います。

共有する時間の大切さ

これはジュニアスイマーさんにあてはまることですが、このレポートを通して保護者の方と振り返りの時間を共有してほしいという願いがあります。子どもは「見てほしい・聞いてほしい・認めてほしい」という願望を持っています。レッスン内でやったことを理解しているかだけでなく、その時どんなふうに考えたり感じたり判断したかなどを、帰りの車の中でぜひ聞いてあげてください。絶対に言ってはいけないのは「ちゃんと先生の話聞いてたか?」「マジメにやったんか?」です。シンプルに「どうやった?次どうしたい?なんか手伝えることある?」で良いと思います。

おまけ 岡田武史さんのお話

教育・親と子の関わり・学びという大きなテーマに関して、サッカー日本代表元監督の岡田武史さんのお話に共感する部分がありました。よろしければお時間ある時に観てみてください。
「育てるなんておこがましい。いかに育つのを邪魔しないか。」
前半
https://youtu.be/2UtK1P3kv1g?si=PyVVva1FhGOpnoSX
後半
https://youtu.be/gTe0RQW0XbI?si=Yn8uiC2TopB5hDs0



今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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